小説:エロス&タナトス

     

<出逢い>

こんにちわ!
ここでは、目下研究しています、お花の生態とヒトの生態についての研究文を、フィクションを交えて書き込んでいきます。

大きなテーマは「エロス&タナトス」です。
小さなテーマは、大テーマに添った内容にしたいと思っています。

ということは、エロスということの考察をやっていくことになります。
その対極にある、タナトスにもふれながら、エロス論を展開していきます。

よろしくお願いいたします。

     

アイは女、ウンは男。
このふたつの皮膚に包まれた個体の物語です。

アイの個体は柔らかい、ウンの個体も柔らかい、
ふたつの個体は少しだけ違うのです。
アイの気体は目に見えない、ウンの気体の目に見えない、
ふたつの気体は少しだけ違うのです。

どこが違うかといえば、皮膚に包まれた個体には、
女のアイには襞のあながありお棒がない、
男のウンには襞のあながなくてお棒があるんです。

アイにもウンにも気体があるんです。
この気体は目に見えないんですが、いつも見ている記憶や妄想ってやつです。
女のアイも男のウンも、この気体には、気持ちいい!の感じとか、気持ち悲しい!の感じとかが、一緒にあることを感じているんです。
皮膚に包まれた個体が、ひとつそれだけで有るときには、悲しい気持ちがつきまとっているんだけど、皮膚に包まれた個体が、ふたつ一緒になろうとしてるときには、いい気持ちがいっぱいに溢れてくるんです。

アイとウンはこの、気体の感じをよく知っているんです。
だからいつも一緒にいるときは、ひとつになろうと思う。
アイもウンも皮膚に包まれた個体がひとつだけであるときは、
この皮膚に包まれた個体が、ふたつ一緒にあることを気体にすると、
あら、ふしぎやな〜〜、いい気持ちの感じを感じ出してしまうん!

     

このようにしてアイとウンは、一緒にいるときはもちろん、
一緒にいないときでも、ひとつになろうとしてるかたちを思うと、
いつもいい気持ちがしてくるんやね〜、なんでやろね〜。

♀アイと♂ウンは、ふたつの皮膚に包まれた個体でひとつや〜!って感じてるん。
もう別のもんや〜って思うと、悲しい感じの気体に包まれちゃうんです。
ふしぎやね〜、ホント、♀アイも♂ウンも、このこと、ふしぎやな〜って思ってるんです。

「ウンのこと思ってるときってサイコ〜なんよ、もうたまらなく濡れてくるのよ〜」
って♀アイは♂ウンにゆうたことあったんです。そしたらね、ウンも
「アイのこと思ってるときってサイコ〜なんよ、もうたまらなく硬くなってくるんよ〜」
って♂ウンは♀アイに答えたんです。
もうこのことばのやりとりだけで、♀アイも♂ウンも、ワクワクウハウハの感じになりだしたんです。


<出逢い>-1-

エロスとは、生きていく強〜い前向きエネルギーです。
タナトスとは、この生きていく前向きエネルギーに、
ブレーキをかけるように作動していきます。
そんなんよ、エロスっていうのは、とっても美しいものなんです。

♀アイはいってみればこの100%エロスの象徴ですね、
まさにエロスそのものです。
それに引き換え♂ウンといったら、
いつもタナトスに支配されてしもうてあまり元気がないですん。
いやね、もう元気がないどころか、消滅することばっかり考えてたんです。

     

♀アイは強いです。え?何が強いって?
なにもかもに強いんです。
体力もいっぱいあるし、力もっぱいあるしね。
もとから♀だから太母としてあるんです。
大地の母ですね。
それにしても♂ウンは、この♀アイが側にいないとやっていかれへんのです。
まるで子供、赤ん坊やね。

♀アイの中に♂ウンのようなのがおり、♂ウンの中に♀アイのようなのがおります。
♀アイは、♂ウンと抱き合って襞に棒が入ってきてるときってさ、もう、何にも判らない、ただただ、ああああああ〜〜の声しかでないんですね。
もう♂ウンを飲み込んでしまいそうな勢いで、支配したりされたりのごっちゃですね、
どうしたんでしょうね、♀アイ。

♀アイが♂ウンと出逢ったのは、あのショップ。
ショップの棚にはいろんなモノと一緒やったな〜。
タナトスの固まりのような♂ウンに見られてしまったんです!
感じちゃったですね、あの時、♂ウンも感じたようでした。
皮膚に包まれた個体どうしなのに、一心異体って、こんなときのことを言うんでしょうかね。もう、もう、見て見られた、その視線ってのが、磁石、強烈な磁場が生じたんですね。磁石です。

♂ウンは♀アイの皮膚に包まれた個体を、もう見た瞬間に欲しい!!と決定です。
♀アイにも♂ウンの欲しい!欲求の強烈さが見えたので即OKでしたね。
♀アイの100%エロスと♂ウンの100%タナトスが合流したってわけです。

それにしても、この♀アイと♂ウンの運命の出逢い方っていうのは、不思議やったな〜。
♂ウンは、この♀アイをバッグに仕舞いこんで連れて帰ってきたんです。
♂ウンは、このお持ち帰りの道すがら、どうしたわけかタナトスを置き忘れてしまったような、そんな気分になっていたものでした。


<出逢い>-2-

♀アイはこんなことを考える。
ひよっとしたら♂ウンというのは、わたしなんかも知れんな〜?
目を開いてみても何にも見えない、なのに♂ウンがいつもいるんです。
確かにいるんです。
これは♂ウンにおいても同じように感じているんです。
♀アイはいるようでいない、不思議やな〜、って思ってる。
でも、確かにいるんです。

そうなんやね、一心同体なんです。
♀アイと♂ウンはひとつのこころ、ひとつのからだ、その現象は異心同体。
お花のなかには♀と♂がいっしょにいます。雄しべ雌しべです。
皮膚に包まれた個体♀アイのなかに♂ウンがいる。
皮膚に包まれた個体♂ウンのなかに♀アイがいる。

この♀アイと♂ウンがショップの棚で目があったとき、
感じたというのは、このことが原因してたようなんです。
不思議でしょ?あるときは個別の皮膚に包まれているんです。
またあるときは一つの皮膚に包まれているんです。

     

これを書き記してる作者は、この世のヒトosibeさんといっています。
このヒトの頭の中ってどうなってるんでしょうね。
生まれる前と消滅してからのことがあるんだといっています。
それからこの世とは別の世があるんだともいっています。
あんまり信用したらイケマセンですね。
でも、でも、ホントだと思えるヒトは信用しなさい。

つまり♀アイと♂ウンが出逢った場所は、
この世ではなくて、別の世。
ここで出逢ってしまったんです。
その別の世は、ヒトがお花になってしまう世であった。

お花はいつも、光に感じて、気持いい!っていっています。
光の波は電磁波、光の波は♀♂をいい気持ちにさせるんです。
♀アイと♂ウンは、お花のようでもありますから、
その生涯は、♀アイと♂ウンが存在する前にも後にも世があります。
蕾から花開けて萎れて枯れる、この花開けているときが生涯というもの。
でしょ、だいたい分かってきましたか?
♀アイも♂ウンも、いつも、いつも、いい気持ち!なってるってゆうこと。

♀アイをバッグに仕舞いこんで持ち帰ってきた♂ウンは、
秘密部屋に入り込んでそっと♀アイを取り出しました。
もう大事な大事な宝物を手に入れてしまったときのあの感じです。
もう♂ウンは、♀アイを目の前で見る前から、
もうからだの芯がぐらぐらしてきて眩暈状態に陥ってしまう。

からだの芯はもう濡れだしてきましたね。
透明の液体がからだの部分を濡れさせてきてるんです。
これを♂ウンは止めることができないんです。
心臓止められない、胃を止められない、精を止められない。
♀アイがかもし出す香りが、♂ウンを刺激しているんです。
磁力が伝播するように、♀アイの気が伝播してきているんです。

さて、どうしょうかな〜って、♂ウンは感じだしました。


<出逢い>-3-

♀アイはバッグのチャックが開かれたとき、
暗闇から光に眩さを感じた。
なんだろ〜バッグの中ってのは閉ざされたお部屋、
手足一つに拘束されて身動きできないお部屋。
皮膚に包まれた個体を拘束具で締め付けられている感覚。
でも寄り添う壁があったから、まるでゆりかご子宮の中でした。
♂ウンが運んでくれるバッグの中で♂ウンが運んでいる!!
と感じるだけでもう花芯フラフラメラメラを感じることができた。

気持いいな〜!
暗闇バッグの中で拘束された皮膚に包まれた個体♀アイ。
光の眩さは、ほれ、あの時の、あの感覚〜〜。
♀アイは思い出す。
もう一瞬の出来事だったのか、
長〜い時間の出来事だったのか、わかんない。
時間のない処だったから、♀アイは只只、
強烈な光の中に吸い込まれてしまった。
そっから蘇えってきたあのときのこと・・・

     

バッグから取り出されるとき、あのときのことを感じたんです。
皮膚に包まれた個体ってふしぎやな〜、♀アイはつくづく感じる。
この感じるっていう感じってわかりますか?
うんうん判る判る、なんとの〜ほんのり判る、♂ウン。

♀アイは、この♂ウンと同じになるんや〜!って感じたんです。
同じになるってことはその先で一つになるってことの暗示です。
でもね、皮膚に包まれた個体がふたつ、どうして一つになるんかな?
リアルとヴァーチャルってあるでしょ、これの混合帯域ではね、
一つになっていけるのとちゃうやろか。

皮膚に包まれた個体が、いちばん敏感に激しく燃える感覚をもってタナトスへ。
そう、もう皮膚に包まれた個体が消滅するところのエクスタシー。
この帯域へ入っていくために、♀♂はめっこする、
そのしてる、そのときの、だんだんとつぶれていく脳が、
ついにとろけて、「ああああ」もしくは「〜〜〜〜」しかない、
いく驚異の感じやね。
この♀♂はめっこは、この世の正像です。
生命体というものは正像においてこの特異点を有する。


<出逢い>-4-

♀アイがバッグに詰め込まれて、連れ込まれた♂ウンの部屋は、
ワンルームマンションの一室でした。

♂ウンはどうも会社員らしい。
それもひとり住まいだね〜それでやね〜
♀アイがショップで一目惚れされて、
バッグに詰め込まれた理由がわかった。

♀アイは♂ウンの愛という名のエロスの極みを
もうメロメロウハウハツブレル〜までにね、
注がれるためにつれられてきたんや〜って、
そんなことは設計段階で♀アイは感じるようにされてたんです、
眩い光に晒された♀アイの感覚。
♀アイのボリュームは遠隔操作で調節できますが、
最初が肝心ということで陳列棚を出るときに、
ボリュームいっぱい上げられていたんです。
だってワンルーム個室での皮膚に包まれた個体が初対面するときに、
♀アイが素っ気、つまりその気になってなかったら困るでしょ!
封切って新古返品出戻りになったら価値半減、
バーゲンセールにだされてしまうんやからね。
だから最初が肝心、肝心。
もし、もし、使い、使いされてしまっていたらリサイクル。
そんなリサイクルでもプレミアつけるへんなおヒトもいますからね。
もうそんなリサイクル競売のときなんぞはウハウハ、
まあ、このへんの話は展開しだいにしませう!

ホレホレもう感じだしましたか?
ここで何が起こるのか興味深々でしょ!
♂ウンの皮膚に包まれた個体のなかの気体は、
なんかあったら、もう、死にたい死にたい、死んでやる〜〜
なんていってるんですけれどね、いっこうに実行しないんです。
そういいながら♀アイを連れ込んできてるんだから、
この♂ウンの気体ってどんなんになってるんやろね、不思議やな〜。

     

♀アイは、気持いい!ことになるんなら、
もう、どのように扱われてもかまわんのです〜と仕込まれていましたから、
ぶたれようと、吊るされようと、折り曲げられようと、
足先が頭にくっつけようが、いい気持ちになる。
ですからバッグのチャックを開けられたときには、
もう、それだけでいい気持ち!になりつつあったのです。

ようできてるな〜!!?。♂ウンは♀アイを触りながらつくづく思った。
というのもショップではユックリズムでご賞味するゆとりがなかったんですからね。
あのとき〜って〜、
♂ウンは♀アイの髪の毛を触りながらあのときのことを思い出す。
ふ〜っと気体が♂ウンの皮膚に包まれた個体のなかから立ちのぼってくる。
死のうと思ってふらふらしてたらコノ子にあって、
死ヌンやったらせめてコノ子と一緒にいきたいな〜って思ってたな〜、
なになに「アイ」って名前なんかアイちゃんか〜、
一緒に死のか、死んでくれるか〜、
なんて♂ウンは死という言葉にとり付かれていっこうに死なないおひとなんですね。

いいじゃないですか♀♂のお話なんだから、
エロス&タナトスってのは、深〜い深〜い、奇怪なもんですから、
会社員らしき♂ウンはいつもからだロボコン感覚すら麻痺してる、
メロメロ気体ばかりのエロス&タナトスびと、でしたからね〜。

♀アイと♂ウンの出逢いっていういきさつは、こんな具合だったんです。


<出逢い>-5-
今日は台風、雨と風が強くなってきた。
こんななかでだったら、♀アイと♂ウンは何をするんかな〜?

それにしてもね、
♀と♂がこの世にいる!ってこと不思議だと思いませんか。
無から有を生じる陰陽、
そっからはじまって♀♂同体の植物が生じてきてね〜。
♀♂別体の動物が生じてきてね〜。
植物も動物も生命というものがあって、
生じて消滅していくもんなんですね。
この生じてくるプロセスがエロスだとすれば、
消滅していくプロセスがタナトス。
エロスはもう、からだの芯から高揚させてきて、
器官活動を活性化させていきます。
でもさ、エロスが目覚めるのは♀♂があるから違うかな?
ほれ、見てごらん、♀が♂に、♂が♀に、
共に磁石ですね、誘発されて発情していく様子ったら、
からだごと感じていくわけでしょ〜!

     

このような生命体が持っている発情っていうのが、不思議なんです、
という♂ウンは、ことのほかこの不思議についての研究熱心家です。
たまたま偶然のように見える♀アイとの出逢いも、偶然だとは思わない。
なるべくしてなった♀♂だ、って思っているんです。

♀アイは、いつも発情感じるように装置されている。
ボリュームは発電仕掛で体内時計。
光があろうと無かろうと自己生成してしまう物質構成です。
死ぬ!なんてことの無い、つまり消滅しない物質構成なんですね。
それに引き換え♂ウンは、消滅していく物質構成なんです。
消滅していく物質というのは、消滅への恐怖を持つからですね、
束の間のエロスをね、あの手この手使ってありとあらゆる妄想を生じさせて、
絶好調に至ろうとするんです。

絶好調の状態を恍惚とかエクスタシーっていうんですけど、
この状態ってのはもう何もわからない状態、
からだがもうほどけて無くなってしまったような状態になることなんです。
ということからゆうと、♂ウンは、そんな状態にならへんですね。
これまで何度も♀と一緒にいて、♀♂一緒にいると、不思議やな〜。
ひとつになりたい!!って感じがムラムラたちのぼってきて、
♀♂の違う持ちものを眺めるだけではがまんができずに舐めだして、
それでもからだの芯ががまんができずにいよいよハメハメにいたっても、
♂ウンの頭のなかは白けてる!!
なんやねん、これ、タナトス。

ところで♀アイはどのようなエロスなんやろな〜、
♂ウンはバッグから頭をだした♀アイの髪の毛撫でながら、
からだの芯がモソモソモゾモゾと動き出してきたんです。

     

<評論>
少し話題を変えてみて、今日からは、からだについての考察です。
ふたつのシリーズを並行して乗っけていきます。
ここでは、男の子♂。女の子♀。この記号♂♀を使います。

では、最初。
からだは肉体ともいいますように、肉のかたまりです。
♂も♀も同様です。この肉体にくっついてあるのが魂とか心とか内面とかゆわれてるものです。
♂♀ともに生体はこのふたつを持っています。
♂が♀を、♀が♂を、互いに求めるのは遺伝子による作用だそうです。
そのように仕組まれているんですね。
これ、生命体の不思議です。
でも考えるまでもなく、子孫繁栄という生命体の宿命を思ってみれば、
理の当然といえるかもしれないですね。

     

♂が♀を、♀が♂を求める、というのは、本能のレベルです。
肉体を養うのが食料だとすれば、心を養うのがセクス。
心は肉体にくっついたものだから、セクスも肉体行為です。
心だけの行為というのは想像力、妄想ですが、これも肉体あっての話です。

ええ?肉体なかっても心は単独で存在するって?
想像力・空想・妄想では、そのように考えられないこともないですけれど、
どうなんでしょうかね、ホントに肉体から離れて心だけが存在しうるか!
大問題ではありますし、そう信じたいですが、信じられない、というのが現在です。

話を戻して、♂♀が相互に引き合うエネルギーが存在します。
この引き合うエネルギーの不思議さを、これからの科学は解明していくのだと思います。
ここでは、非科学領域で、この♂♀引き合うエネルギーの結果をことばで描いていきたいと思っているんです。

♂♀には、♂♀一体になりたいという欲求があります。
♀が求める♂、♂が求める♀。
世の中の関心ごとの中心は、実はこのこと。
♀は♂を求め、♂は♀を求める。
冬のソナタというのが人気、まさにこの求め合いがテーマでしたね。
昔「終着駅」なんて名作がありましたけれど、まさに♀♂の求め合い。
このように捉えると、ベースに♀♂求め合いがあって、
その回りに社会の制度となったバリヤーがある。

社会の制度は社会システム維持がベースだから、
はみ出す♀♂の心を封じ込める。
封じ込めに対して♀♂の本能が対置する。
これですね、エロスとタナトスを感じるのは、
♀♂を囲む制度のバリヤーと、♀♂が持ってる制度逸脱のエネルギーの葛藤。
この葛藤がエロスをエロスたらしめ、タナトスをタナトスたらしめる。


<出逢い>-6-

バッグから取り出された♀アイは、
♂ウンの顔をみて最初のご挨拶、よろしくね。

♂ウンはもうバッグから♀アイを取り出す前からもうもうと、
気体がたちのぼってきておりましたから、ご挨拶もウワの空、
ウンウンウンとうなづいた。

     

♀「ちょっとボリューム下げてホシイんデスデス、感じすぎるんです、ゴメンサイ」
♂「どうすりゃいいん?ここんとこか、ボリュームって?」
といいながら右お乳の首を左へまわすと
♀「それははんたい、はんたい方向へお願い〜〜」
♂「そうかそうか、右は右やな、そうやな」
♀「そうそううんうん右わ右、左わ左、ちょっと下がってきちゃった、よかった〜」
♀アイは少し冷静にもどってきたようですね。
♀「ふたつあるでしょ右左、右わ右で静まるん、左わ左で静まるん、右わ左で高揚すルン、左わ右で高揚すルンデス」

♀アイの最初のご挨拶は取り扱い説明なんです。
♂ウンは取り扱い説明の声をきいて、まずは試み、ためしてみます。

お乳の首を、右は右で静まるんか、左は左で静まるんか、
右と左を微妙に使い分けたらいいんやな、わかった。
そうしたら強くつまむ弱くつまむではどうなるんかいな〜。
やってみよう。
♂ウンは、右のお乳の首をつまんだ指先に力をこめた。
すると♀アイは、あああ!っと高揚してきた。
♂ウンは、左のお乳の首をつまんで指先に力をこめた。
すると♀アイは、いいい〜っとまたしても高揚してきた。
そうなんや、ふたつのお乳の首を右や左に回したり、
きつく抓ったりやさしく撫ぜたり、これの取合せやねんな。

納得、納得!ウフフノフ。
♂ウンの死にたい衝動は、束の間少し遠のいた。

♀アイは、エロスのくにからやってきたエロスの精のようです。
♀アイは、まえの世のことを覚えています、♀おみなえしと呼ばれていました。
なんにもなかったけれどお花いっぱいのなかで過ごした日々を覚えています。
ふたたび未来へやってきた♀おみなえしのお名前は、
♀アイと名づけられて♂ウンのもとへやってきたんです。




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