愛欲の屋敷
2024.11.10〜2024.11.13
1〜5

愛欲の屋敷
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<愛欲屋敷の美和>
大森美和(27)が愛欲の屋敷へやってきたのは、ネットで話題になっていたからでした。京都大原の山中に広大なアートの殿堂があって、そこのミュージアムの企画展を観たいと思ったので、東京から新幹線でやってきたのです。山の斜面に洋館二階建てのミュージアムがあります。日本美術の美人画特集の企画展です。一部に春画も展示されていると評判の展覧会です。
「ええ、東京からやってきました、ええ、愛欲の屋敷、ですね、興味ありです・・・・」
展示を見たあと、喫茶コーナーでお茶していると、主催者の大里安吾(55)が美和に声をかけてきたのです。
「宿泊ができますから、お泊りになられたら、長期滞在もありですよ」
「駅前のホテルを予約しているのですけど、お世話になろうかしら」
「お綺麗なお方ですね、お名前は、なんとおっしゃるんですか?」
「・・・・おおもり、みわ、と申します、ええ高円寺のマンション住まいです・・・・」
ちょっとメランコリックになっていた美和は、心の癒しも求めて、古都へやってきたところです。商社のOLをしていたけれど、先日、退職して、自由の身となったところでした。
「愛欲の屋敷、ご案内いたしましょう、ええ、ミュージアムスペースの奥です」
大原の三千院へ行く道から離れて小道をいくと、愛欲の屋敷の門があります。ミュージアムは門を入って左側にあります。二階建ての洋館で、一階は8m四方の展示スペースと喫茶室&ライブラリー、地下があって物品販売コーナー、その奥に大人の玩具売り場。二階はワークショップルーム、週末夜にはエロスショーが開催される空間です。門の右側に番小屋のような事務所です。奥に入ります、右側に木造二階建て、アパート形式の飼育棟、四畳半の部屋が一階四室二階四室合わせて八室です。廊下があって、調教部屋A室とB室、いずれも16畳の広さです。ミュージアムに隣接している館は恥部屋、い室ろ室は室に室と四畳半の接待ルームが四室です。スタジオAは土蔵で四畳半が四つ田の字形、スタジオBは32畳のワンフロアー、温泉施設があって露天風呂、男湯女湯、ここへは一般のお客さんは入れません。なにより愛欲の部屋を運営するのは満天リゾートという会社のある種の水面下施設なのです。
「美和さん、なんなら、ミュージアムスタッフに、容姿端麗な大森美和さん」
「そうですね、お世話になろうかしら、ミュージアムスタッフ」
「それから、モデルさんにも、なってほしいなぁ、大森美和さん」
「ええっ?、モデルですか?、イベントでのモデル?、ですか」
美和は、カリスマ、大里安吾の話しに、感動をうけていて、こころが傾斜していきます。ミュージアムの別室には、写真集や映像ライブラリーがあって、おもに情欲写真集、情欲映像が収納されているんです。美和には、このライブラリーの管理スタッフとしても担ってほしいとの話なのです。 

愛欲の屋敷
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愛欲の屋敷では、男と女が戯れて、快楽を享受するユートピアを、病んだ男女たちに提供することを目的として、運営されています。大村美和が展示を見に来て驚いたのは、日本画の原画及び版画で、美人画だけではなくて春画が飾られていることでした。それだけではありません、緊縛をテーマにした絵画が修正されることなく展示されいるのです。
「はい、わたし、学芸員の資格持っていますから、総合スタッフですね、お受けします」
大森美和がミュージアムで学芸員することは、大学院では美学美術史を専攻してきた経緯もあって、興味あることでした。浪漫派の文学や美術、シュールリアリズムの作家たちへの傾斜、なにより快楽ということに内心興味を抱いてきた美和です。
「それじゃ、明日から、スタッフとして、来てくださいね、おねがいします」
オーナーの大里安吾からそう言い渡されて、いったん駅前のホテルへ戻り、翌日には愛欲の屋敷で寝泊まりすることにしたのです。翌日は午後から、大森美和が屋敷へやってきて、飼育棟の一階奥のD室を与えられました。木造とはいえ空調完備、四畳半のフローリングですがシングルベッド、それに一畳半の別室にはバスとトイレと洗面できるスペースが設けられています。
「ここが、わたしの、おへや、東京のマンション、しばらく留守する感じ・・・・」
この日は週末で、夜にはミュージアム二階でエロスショーが開催されるので、美和にはまだ要領がわからないから、見学することになっています。飼育棟のD室が自分の部屋ですが、すでに五人の女子が先住者です。飼育棟にて寝泊まりする女子は、美和を含めて六人となります。さっそくオーナーの大里安吾から紹介された女子がいます。その女子の名前はカルメン留美、もちろん実名ではありませんが、23歳だと言います。
「お姉さん、おおもりみわ、大森美和さん、こんにちは、わたしはカルメン留美!」
カワイイ妖精のごとく小柄でキューピットのようなイメージの女子です。
「そう、わたし、なにかしら、不安だらけ、わけわからないわ、わたし」
情緒不安定でクリニックへ行こうかと思っていた美和ですが、受診はしなくて、京都へ来たところです。
「お姉さんは、モデルもされるんよね、アダルトだけど、楽しいかも?!」
「ええっ?、どういうこと?、ええ、モデルもすることになってるけど」
「わたしもモデルよ、今夜は、わたしのショータイムだよ、SMだけど!」
美和は、留美との会話で、SMショーだと聞かされて、驚きと興味が入り混じった気持ちになります。そういえば、地下室の書棚にはそのたぐいの写真集がありました。映像はDVDですが、さりげなくセックスを扱った内容の映像です。地下室の奥には大人の玩具コーナーがあって、陳列棚に、美和にはめまいするようなグッズが並べられてあるのです。美和はそのコーナーの販売員でもあるのです。
「ええ、寝泊まりしてる建物は、飼育棟っていうの、わたしたち飼育されるってこと」
留美が言うには、特別レッスンだといって、男優からプライベートで密かにセックスしてもらえる処だというのです。そういえば一階A室は共用スペースだと聞きました。
「それから、恥部屋ってあるんだけど、そこはお客さんのお相手する部屋なのよ」
「ええっ?、そんなの、お客をとるの、セクスの相手するの?」
「そうね、そうよ、それは嫌だといえば、しなくていいんだけど」
愛欲の屋敷は、アダルト映像を制作したり、ネット配信したり、写真を撮って写真集にしたり、男も女も癒されるユートピアなんだというのです。

愛欲の屋敷

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夜のショーは午後八時開演です。ミュージアム二階のフロアー、8m×8mの四角い空間がエロスショーの会場です。会場の奥に、八畳の広さの楽屋があり八畳の広さのモノ置き場があります。一階の展示フロアーからは階段で会場に入れます。ボックスになった席が六個、弧を描くように並んでいて、その前がステージです。お客さんは予約制、原則ペアでの鑑賞、ボックス席は狭いけど男女が座って鑑賞できるスペースです。
「もう始まるんだわ」
美和はオーナーの大里安吾と一緒のボックスにはいって、座ります。狭いから二人に空間はなし、密着、抱きあって鑑賞できるんだよ、と大里安吾の説明です。
「いいね、美和さん、初夜だよ、ぼくたちの!」
ステージには椅子が置かれていて、美和には変な椅子と思えます。まるで産婦人科の検診台のような造りの豪華な椅子です。ステージになるその場にはスポット照明が当てられ、まだ主人公のいない変な椅子が静かです。
<ええっ?!、しょやですって、わたしたちのって、どういうことかしら>
大里安吾のことばがはっきりと聴きとれなくて、でも、美和には、意味が分かったような意味不明のような、です。軽装でいいといわれたので、美和はワンピだけ、インナーはブラとショーツ、それに腰下までのシュミーズ、大里安吾は黒いシャツと綿のズボン姿です。開幕を告げる音楽が流れます。邦楽、お琴の曲、柔らかい古都の風情が感じられます、京都大原の山の中、ミュージアムの二階フロアーです。
「始まるよ、美和さん、興味あり、だと思うけど、存分に楽しみましょうね」
大里安吾が美和に耳打ちするように言葉をかけてきます。美和は、明るいスポットライトの椅子のそばにあらわれてきた女の子、カルメン留美を凝視してしまいます。赤い首輪の紐を持った男、筋肉隆々、逞しくて若い男が、小柄な留美を抱き寄せてのあいさつです。
「さて、今夜のペアは、オルガストです、みなさま、存分にお楽しみください!」
声だけの案内ですが、ボックスの客の反応は、美和にはわからないけど、オルガストと呼ばれた男と女がいかにも情欲を掻き立てる感じ、美女と野獣です。男は黒いトランクスだけ、女は薄くて透けるネグリジェすがたです。首に巻かれた赤い首輪と、そこからの赤いロープが、カルメン留美をメスとしてのイメージを際立たせます。そのカルメン留美が、検診台椅子に座ります。膝をひろげて、アームの皿に膝裏をのせます。まだ透けたパンティを穿いたままですが、股間がひろがって、黒毛と女の股が透け透けです。手首をひろげて横に括られた留美、背凭れが後ろに倒されて、ひろげた膝がもちあがり、股間が正面を向きます。ステージといっても同じ床面です。留美がのせられた検診台椅子がボックス席のまえにまで動かされてきます。

愛欲の屋敷

-4-
エロスショーがはじまってしばらくしたころ、カルメン留美がのせられた検診台椅子が、美和と大里安吾がいるボックスのまえにやってきました。エロスショーの会場はジャズ風の音楽がバックに流れ、検診台椅子を追うように赤黄青と白色の照明が当てられ、順次、客席ボックスの前60pで止められます。パンティを脱がされて股をひらいたカルメン留美の秘部が、丸見えにされていて、ボックスの客人に、鑑賞してもらうというのです。
「見てやってくださいよ、たっぷり、この子のおめこ、きれいなおめこ!」
筋肉隆々の逞しい男が、検診台椅子の横に立って、カルメン留美の陰唇を開いて見せるのです。美和と大里安吾の前にきた検診台椅子です、美和はドキドキ感を隠せません、
<ええっ!、エロスショーって、こんなことするんだわ、恥ずかしい、ええっ!>
目の前に股をひろげたカルメン留美の姿を見る美和は、大里安吾から肩を抱かれているのに気がつきません。
「いいですか、女の性器ですよ、この子は未婚です、カルメン留美です!」
筋肉隆々の逞しい男が、股をひらいた女の子を紹介してきます。男の名前はジョージ康介、男優で専属モデルのイケメンです。ボックスのなかでは、呆然としている美和に、大里安吾が左腕で美和の肩を抱き、右手で美和が身につけたワンピの裾をめくりあげ、穿いたパンティのなかへ手を入れてきているのです。
「いい、おめこ、しているでしょ?!、ぐっちょり濡れているでしょ!」
<ああ、わたし、ええっ?、感じちゃうわ、ええっ?!>
美和は太腿を少しだけどひろげられ、大里安吾の指が、陰唇ビラビラから膣口を、弄られだしているのに気がつきます。検診台椅子が隣のボックスの前へ移され、美和と大里安吾が座ったボックスにカーテンが引かれて密室になります。
「美和には初体験、さあ、この壁の手すりをもって、お尻を剥いて・・・・!」
「ええっ?!、大里さま、ええっ?!、やだぁ、こんなところで、ああ・・・・」
くらいボックスの寸法は横90p奥行き60p、天井部に小さなスポット照明、美和、手すりを持って後ろ向き、大里安吾が美和のワンピ、スカートをめくりあげ、パンティを太腿まで脱がして、足をひろげさせ、まずは大里しゃがみこみ、美和のお尻をひろげ、陰部をなめだします。それから、立ち上がって後ろから、勃起させたチンポを、美和のおめこに挿入してしまうのです。美和にとっては初夜、最初の性交、大里安吾にとっては新入り女子を最初に頂くセレモニーなのです。
「ああ、ああ、だめですよぉ、だめ、だめ、こんなの、ああっ、ああっ〜!」
ぶっすり、後ろから勃起チンポを挿入した大里安吾は、俯せた美和のおっぱいを触りだします。ワンピの胸ボタンを外し、ブラジャーの中へ手を入れ、チンポを膣に挿し込んだまま、乳房を揉み揉み乳首をつまんで揉み揉み、慣れた手つきの大里安吾です。
「ああん、あん、だめですよぉ、こんなところで、あああん〜!」
密室と化したボックス席、美和は最初の日の夜、エロスショーを鑑賞している最中に、セックス洗礼を受けてしまうのです。ええ、未経験ではありません、美和、27歳、初体験は17歳、もう10年も前のこと、高校生だった美和、好きだった男子と、体育館の道具収納庫で、セックス、処女を失いました。その男子とは、それっきり、好きだと言ったけど成熟しないまま、卒業しました。大学は文学部で美学を学び大学院まで進んで修士でおえて、学芸員めざしたけどままならなくて商社のOLを三年やって気を病み退職してきたところでした。セックス経験は、修士で学んでいた時、准教授の男性と恋仲になりラブホテルで、性行為を重ねてきた経験です。
「よかったね、よく濡れていて、美和さん、美女だしねぇ!」
エロスショーが終わって、その最中にセックスしてしまって、美和はちょっと恥ずかしくって、大里安吾の顔を正視できなくて、その夜は、そのまま、飼育棟D室へ戻って来ました。

愛欲の屋敷

-5-
朝、美和が目を覚まします。小鳥の鳴き声が聴こえてきます。閉めたカーテンの合間から光がはいってきます。
<ええっ?、ここ、どこ?、ああ、きょうと、わたしのへや・・・・>
思い出せば昨日、ここ愛欲の屋敷へ引っ越してきたばかりです。要領もわからないまま、夜のエロスショーをオーナー大里安吾に誘われて見学した光景が思い出されます。エロスショーを観ているあいだにセックスされた記憶が、よみがえります。
<なんだったの?、あたし、感じてた、久しぶりのことよ、後ろから・・・・>
スマホで時間を見ると午前七時を過ぎたところです。
<このあと、どうしたらいいのかしら、わたし、どうしたらいいの?>
ここは飼育棟という名の二階建アパート形式の建物です。美和は一階D室をあてがってもらえて、四畳半のフローリング、仕切られているけど一畳半のバス&トイレとサニタリーがあります。
<ああ、わたし、裸だわ、そういえば、昨夜は、意識もうろう・・・・>
気が付いたのがいま、朝、疲れていたのか熟睡したような気分の美和です。空調が利いていて快適です。シングルベッドは木製の少しピンクの白色です。まるでホテルの部屋みたい、と美和には思えます。朝の食事は、八時になると賄さんが運んできて、部屋の前に置いてもらえる。インターフォンがついていて、事務所から指示がくるのです。
「目が覚めたようだね、大森美和さん、おはようございます!」
男の声がスピーカーから聴こえてきて、美和、裸の自分に、はっと気が付きます。監視カメラがつけられているので、飼育棟D室のようすが、事務所のモニターに映っていて、見られているのです。
「裸の美和さん、ベッドの下の引き出しに、着るモノ、揃えてあるから、着なさいね」
美和は、なにかしら見られている気がして、落ち着かなくなってきています。60pの丸い白テーブルに小型のテレビが置かれていて、リモコンでチャンネルが選択できるけど、それだけで、飼育されるメスという扱いなのです。美和には、その全容がわからないから、戸惑うばかりなのです。用意されている衣類から、インナーとアウターを着てみました。柔らかい素材で、ちょっとエロい感じですが、着心地いいです。そうしているうちに、八時前、食事が運ばれてくる前ですが、優しそうな男が、美和の部屋へ来たのです。
「美和さんの、飼育係をまかされた、アンドといいます、よろしくね!」
まだ二十半ばで、優しい顔で、女っぽい男子、アンドと名乗ったけど、どのような字を書くのか、美和には、好感が持てる男子のように思えて、恋してしまいそうです。アンドが説明したのは、次のごとくです、要約です。
「この飼育棟には、いま美和さまは新米さんよ、ほかに五人が飼育されていまして日々、美しい女に、いつもエクスタシー、アクメを迎えるトレーニングに励んでもらうのよ、ぶっちゃけ、緊縛、セックス飼育ってゆうか、お調教されるんですよ、そうよ、美和さまも、お調教カリキュラムを受けていくのよ、わたしアンドは世話役、調教師さんは沢山いらっしゃいますよ、朝、昼、晩、その二つを一日のカリキュラム、レッスンが選ばれるのよ、ねえ、美和さまは、ミュージアムの管理とか、されるから、特別待遇ですよ」
「わたしは男の子だから、男の役割をします、美和さまのお世話もしてあげますよ、たっぷり、かわいがってあげたいですね、いいですか、わたし、美和さま、好きになっちゃいましたよ」
アンドが美和に説明し終わるころ、朝の食事が運ばれてきて、ドアの前におかれたのです。朝の食事は避妊薬入り媚薬ジュースと珈琲、固形物はありません、というのも吐かないように配慮された栄養価の高い食事なのです。





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