淫らな愛欲
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 1〜8 2020.11.8〜2020.11.16

 

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<初めてのラブホテル>
上村香苗は京都の私立大学三年生、いまどき珍しいかも文学部で古典の勉強をしている硬い女の子です。その香苗が、この秋になって、とっても美しく変貌したというのです。
「どうしたのよ、香苗、きょうもだめなの、また、デートなの?」
「そいゆうこと、デートしちゃうのよ、だれでもいいじゃない、内緒よ」
親友の真紀が誘ってきたのを断って、前から気になっていたイケメン向井康太とのデートです。三度目のデート、そろそろ、あけわたしてもいいかなぁ、と、求められたらですが、香苗のこころの中ではそう思っています。晴天、午後三時、四条河原町のあの時計の処で、待ち合わせ、文学研究会の一年先輩、向井康太が香苗の相手です。
「まったよ、上村くん」
「約束の時間までまだ三分あるよ、せんぱいぃ」
「まあ、まあ、ぼくが、早かったんだ、それだけ」
「こうしてさぁ、二人だけって、おれ、どうしようかなぁ」
康太には下心があります。一年後輩の香苗をゲットしてしまったから、早くセックスしたい。なんてったって可愛い女子です。ぶらぶら、祇園のほうへ、あるいて、喫茶店はドトールコーヒー、香苗はミルクティー、康太はブレンドコーヒー、二階へ上がって、テーブルで向き合って、見つめ合います。
「あの先生、すこしおかしいわよ、わたしばかり、見てるのよ」
「そうかなぁ、そかかもなぁ、上村くん、美女だし、可愛いいし、しやないなぁ」
「そう、わたしって、美女だと思ってくれてます、せんぱい」
「うん、うん、美女だと思う、可愛いと思う、おれ、胸キュン派だよ」
康太には、香苗が、処女なのか、それとも経験済みなのか、とても気にかかるところです。恋人がいないことは確かだと思うけど、セックス経験まではわからない。康太は、これまでに三人の女と関係してきて、香苗とセックスフレンドになれば、四人目ということになります。康太が香苗の耳元で囁きます。
「ラブしにいこうか、ホテル、あるんだけど」
「いいわ、わたし、ついていきます、せんぱい」
「うん、そう、おれ、胸、ドキドキ、あそこにあるんだ、いこう」
建仁寺の門には入らなくて左におれていくと安井金毘羅さんへ行く道があって、その鳥居のまえにいくつかラブホテルがあります。康太は、それぞれの女子と、なんかいか利用したことがあって、そのうちの愛という名前のラブホテルを想定して、康太のすぐ後に香苗がついてきて、愛ホテルへ入ったのです。香苗、初めて、嘘じゃない、初めてのこと、実は処女、ほんと、未経験です。だから、怖い、なにかしら、どうしたらいいのか、気持ち、ドキドキ、もう卒倒しそうなくらい、めまいがしてくるくらい、ドキドキです。

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愛ホテルの廊下の左右にはドアがあり、ドアの向こうに男女が愛しあう部屋があります。愛しあうというのは心だけではなくて、身体を交じり合わせる性行為をいいます。大学生の香苗、もう21歳にもなるのに経験がなくて、想像するばかりでしたけど、先輩の康太が誘ってきたので、誘われてしまったのです。愛ホテルの愛の部屋。ダブルのベッドがあります。壁がピンク色、温かい愛の部屋。
「ああ、こんなの、せんぱい、わたし、初めて、なの」
うつむいて、康太と顔をあわせないまま、香苗は恐る恐るの感じで、つぶやきます。康太もある種ドキドキです。香苗は美女だし、源氏物語を読んでいる女子だし、学校で美女コンにでたらグランプリを獲得するだけの可愛さをもった可憐な美女だから、これまでの女子とは、ちょっと違う感じです。
「そうなの、上村さん、香苗って呼ぼうかな、いいかなぁ」
「ああ、はい、かなえで、いいです、せんぱい」
「せんぱいは、いいよ、こうたでいいよ、こうはい」
ドキドキ、声がうわずって、康太は、香苗の腕を引き寄せ、立ったまま、抱いてしまいます。香苗は、もう、ああっ、という感じで、抱かれます。男の匂い、清々しい匂いです。
「ああ、うっ、ううっ」
キッス、康太が唇に唇をかぶせてきて、キッス。香苗、目をつむって、身体を固くしてしまいます。舌が唇から入ってくるのを感じて、ああ、舌で舌を絡ませて、うっ、ふふっ、ああっ、なんだか天にのぼる感じで、身体が浮いていく感じです。柔らかい素材のワンピース、そのうえから、康太の手が、背中を、胸を、まさぐってきて、香苗、すくんでしまう感じで、身を固くしてしまいます。がくがく、ふるえがきて、どうすることもできない香苗。男の康太は、それなりに慣れたもの、香苗を誘導していきます。
「脱ぐ?、かなえ、脱がしてやろうか」
「ええっ、脱ぐ?、脱ぐの、ええっ?」
香苗はなにをカン違いしているのか、服を脱ぐことは想定外なのか。
「そうだよ、おれたち、やるんだよ、せっくす、せっくす」
康太は、もう、興奮状態、痴漢して、暴漢になって、ではなくて、合意して、抱きあい、セックスするのです。戸惑うのは初めて経験する香苗です。もう、なされるがまま、抵抗なんてしないで、なされるがままになろうと、直美はうっすらと思ったのです。立ったまま、ワンピースを脱ぐと、インナーです。ブラトップとショーツ、恥ずかしい、男の康太先輩に見せるなんて、恥ずかしい、その気持ちで香苗、立ちすくんでしまいます。康太が、いきなり、香苗を抱いて、ベッドへ仰向けに寝させます。すしてズボンを脱いだ康太が、襲いかかる感じで、仰向いた香苗を抱きしめてしまいます。

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ベッドに仰向いた香苗です。白っぽいブラトップにショーツをつけている香苗は、観念しているとはいえ初めてのこと、緊張というか、どうしたらいいのかわからないまま、目をつむっています。康太は、もうズボンを脱ぎブリーフを脱いでシャツ姿です。香苗の足元に座り、香苗のショーツに手をかけ、脱がしにかかります。お尻を抜いて、太腿の根元にまで下ろしてやると、香苗が太腿をきっちりと閉じしめてしまいます。
「ううっ、はぁああっ、ひやっ、ひやっ」
お臍がみえ、その下に白い肌、その下には陰毛が、康太に見えます。康太は、胸ドキドキ、男です、もうちんぽ勃起状態です。香苗が穿いたショーツをひったくるように脱がしてしまいます。
「いや、ああ、せんぱい、わたし、わたし」
「あし、ひろげて、上村くん、おれ、おれ」
足をひろげる香苗、康太はひろげられた太腿の間に座り、香苗の膝を立てさせ、腰を、香苗の股間へ近づけます。
「ああ、わたし、ああ、ああっ、うう、ううっ」
康太は、香苗がまだ身に着けているブラトップを脱がすべく、たくし上げ、乳房を露出させます。女の股と女の乳房、それが可憐な美女、香苗の裸身なのです。もう、勃起したちんぽを、香苗の膣へ、挿していくだけです。
「あっ、ひやっ、い、いい、いたい、ああっ」
処女の香苗が男を受け入れた瞬間です。羞恥心もさることながら、痛みが、激しい痛みがからだの中を突き上げてきたのです。康太は、硬い膣のなかへ、亀頭を挿し込み直ぐのところで、香苗が痛いというので、挿し込みかけたちんぽを引き抜きます。香苗は手で顔を覆い、イヤイヤします。康太は、この場に及んでどうしようかと一瞬戸惑います。目の前に香苗の裸体があります。裸体を鑑賞する余裕もないままに、痛いといった香苗へ、再度挿入を試みます。前戯なしの本番だから、香苗の身体が準備不足です。
「ああ、ああ、せんぱい、じっとして、ああ、ああっ」
香苗が、挿し込まれた勃起ちんぽの感触を知るほどに冷静ではありません。ただただ、処女をおさらばしている、その気持ちばかりで、快楽はありません。康太は、処女と交わるのはもう三回目だから、かなり冷静です。射精は、しないまま、香苗のほとぼりがさめるまで、手持ちぶたさで、全裸の香苗を眺めているのです。

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<二度目のラブホテル>
あの日、わけわからないまま、痛くて、さいごまでイケなかった香苗でしたが、処女をあけわたした先輩の康太に、恋心を抱くようになったのです。コロナの蔓延で、学校で、研究会が開けなくて、その後、一週間が過ぎるのに、康太と夜の街で別れたきりです。
「会えますか、午後三時、南座の前、康太」
香苗にLINEが届いて、午後三時四条大橋東、南座の前を待ち合わせ場所に指定してきた先輩康太へ、返信します。
「はい、いきます、かなえ」
香苗には、やっとLINEが来たという、安堵と嬉しさの気持ちです。
「うん、おまたせ」
バスの停留所があるのでバスを待つふりをして、約束の時間より5分も遅れて康太がやってきたのです。香苗が5分前に来ているので、10分間、すこし不安な気持ちになって、康太を待ったのです。
「このまえは、へんな別れ方したから、断られるかと思っていたよ」
「はい、いいえ、ああ、このまえは、すみませんでした」
「どうする、続き、したいんだ、いいかなぁ」
「ええっ、せんぱい、わたし、そんな、つもりじゃ、あ」
会っていきなり、ひとが行き交う路上で、ラブホテルへ行こうと誘われた香苗、ドキっ、びっくりです。顔が赤くなってしまう感じを意識した香苗、でも、そうなるかもと思っていたけれど、いきなり言われて、戸惑ったのです。歩いて10分ほどの処、愛ホテル、人通りが少ないところに入口があります。香苗は、康太の1mほどあとについて、コーナーを曲がり、そのまま愛ホテルの受付からラブするお部屋へはいります。
「ごめん、いいんだろ、二回目だろ、慣れろよ」
恋する先輩向井康太さん、香苗は、地に足が着かない、ふわふわな感じで、ラブするお部屋の中を見わたします。ああ、スタンド、ああ、椅子、ああ、テーブル、ベッド、ああっ。立っている香苗を、康太が肘掛椅子に座らせます。康太は、立ったまま、香苗のすぐ前です。見上げる格好になる香苗。ロングスカート、フリルのついたブラウス、セーター、シックにまとめて秋モードです。
「うん、おれ、じつは、上村さんが、初めてなんだ」
嘘です。もう何人の女子とセックスしたのか、康太は、香苗をセックスフレンドにしたいと思っている軽率な男子です。源氏物語の光源氏をおもわせるイケメンの康太に、香苗は、セックスだけの関係だとは思っていなくて、恋人なのです。
「うん、脱げよ、香苗、それとも脱がしてやろうか」
いきなり上村さんから香苗と、名前を呼ばれた香苗は、ちょっと面食らった感じで、だきあってキッスするのかと思ったのに、しらふで、着ているものを脱ぐ、男の先輩、康太のまえで、脱ぐ、なんてできない。

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ラブホテルのルームです。肘掛のついた椅子に座った香苗のまえに、康太が立っています。服を脱げといわれた香苗が、恥じらいを滲ませ、もたもたしていると、康太が、香苗を立たせ、後ろから抱いてやります。鏡があります。香苗の姿が、鏡に映ります。後ろに康太がいます。
「あっ、ううっ、うっ、ううっ」
後ろから抱かれた香苗の顔が横に向けられ、康太がキッスをしかけてきます。香苗、ふ〜〜っとなって、康太の唇に、自分の唇をくっつけます。
「うう、うう、ううっ」
舌が絡まります。蠢く舌の感触に、香苗は、す〜っと何かが抜けていく感じがします。康太が、腰をなぶってきます。胸の上に手を置いてきます。お腹の下、お股になるところに手を当ててきます。茶色系単色のロングスカート、白いブラウスのうえはふんわりサイズのセーター、後ろから柔らかく抱かれ、康太に手をつかまれ、誘導されながら、香苗自身の手で、着ている服を脱いでいくのです。
「ああ、はあ、脱ぎます、ああっ」
鏡の前で、セーターをめくりあげ、ブラウスのボタンをはずす香苗。後ろからは康太が、抱いていて、倒れ込むのを支えてくれています。
「ああん、せんぱいぃ、せんぱいも、ぬいでください、ねぇ」
セーターを脱ぎ、ブラウスを脱いだ香苗は、ブラトップをつけています。スカートを脱がすと、白いショーツを穿いた腰まわりが、鏡に映ります。インナー姿になった香苗です。康太は、ブリーフだけのすがたです。
「はぁあ、ああん、こそばい、いい、ああっ」
まさぐりあうといっても、香苗の手は動きなし、康太が香苗の身体を擦って撫ぜてくるのです。感じます、香苗、康太の手、おっぱいも股の間も弄られてないけど、なにかしら、ぞくぞく、身の毛がよだつ感じなんです。康太が、ショーツのなかへ手を入れてきて、股の真ん中へ手の平を入れてきて、股にかぶせてきます。ブラトップのなかへ手を入れられ、おっぱいをナマの手の平に包まれます。
「ああ、ああん、せんぱい、ああ、ああん」
香苗の声が、甘酸っぱくなってきます。喉奥から鼻に抜ける感じで、あん、あん、の声を洩らしてきます。康太には、香苗が、その気になってきているのがわかります。もう、なすがまま、なされるがまま、康太の性の欲望が、もう、ちんぽを、勃起させはじめています。

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香苗、まだドギマギしています。二回目のラブホテルですけど、男子をまえにして、どうしたらいいのか、ラブのブックで読んだ知識しかないから、それに男子のあそこ、ちんぽ、じっくり見たこともないから、お口に咥えてあげて、しゃぶってあげる、といってもどうしたらいいのか、わからない。ブラトップを脱がされて、白いショーツだけの半裸になった香苗。康太に後ろからだかれ、前のおおきな鏡に全身を映した香苗。手を後ろにまわされ、康太の腰あたりをまさぐらされる香苗。
「ああ、ああん、せんぱい、ああっ」
手の感触にぷっくら、感じるのです。男の人の腰、女にはないモノ、おちんぽ。香苗が意識します。どうしょ、どうしたら、いいの、康太がおっぱいをまさぐってきます。もう上半身はだかの香苗です。恥ずかしさがなくなって、乳房を弄られている初めての体験、後ろにまわした手を康太に導かれて、ブリーフのなかへ、ナマの男の身体の部分を触らされ、握ってしまう香苗です。
「いいやろ、香苗、おれ、香苗と、こんなこと、したかったんだよ」
「ああん、せんぱい、わたし、だめ、もう、ああっ」
後ろから康太に抱かれる香苗が、鏡の前で、太腿をもぞもぞ擦りあわせているのが、映っています。康太は、左腕を香苗の乳房にかぶせ、右の手を、お臍の下からショーツのなかへ、入れてしまいます。まだ愛ホテルのルームに入って、10分も過ぎたか過ぎていないか、時間の感覚がありません。
「ああ、だめ、ああ、せんぱい、ああっ」
股の間へ手を入れられている香苗は、後ろにある康太のちんぽを握っています。硬い、柔らかい、初めて握る勃起するおちんぽです。後ろから抱かれている香苗が、向きをかえられ、向きあって抱きあいます。香苗はショーツを穿いたまま、康太はブリーフを穿いたまま、ほぼ全裸、立ったまま、抱きあっています。
「うん、ああ、香苗、どうする、ああ、じっとしてろ」
白いショーツだけの香苗を立たせたまま、康太がしゃがみます。香苗の腰の前に顔がきます。香苗、ショーツを脱がされるのです。康太の策略は、本番にはいる前に、香苗を鑑賞しておきたい、です。もう手に入った香苗の身体です。美女で可愛い香苗の身体に興味が尽きなくて、裸体を見たい、見たいのです。ショーツを脱いだ香苗は全裸です。160pの上村香苗、大学三年生、文学部で専攻は古典文学、源氏物語に興味を持つ女子です。
「ああん、せんぱい、あん、ああん」
香苗の前から二歩あとずさりした康太が、立ったまま、全裸の香苗を鑑賞します。香苗を全裸にしたけれど、康太はまだブリーフを穿いたままです。時間が止まったかにような瞬間です。170pの康太は、香苗の前で、ブリーフを脱ぎ、全裸になったのです。腰を突き出し、勃起するちんぽを、起立させ、香苗に見せるのです。大胆、まだセックスに慣れていない香苗に、自分の肉体を見せる康太です。丸みを帯びた女の身体、ぷっくら肉体の香苗。康太は、乳房と陰毛を隠す香苗を目に焼き付け、それから、抱きあうのです。

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一週間前に処女を先輩の向井康太に明け渡し、ラブホテルは二度目の上村香苗です。大学三年生、文学部で古典の研究、ゼミでは源氏物語を選考して勉強をしているところです。
<ああ、せんぱいわ、光源氏さま、みたい、わたくし、ああ>
全裸の康太が、少し離れた目の前に立っていて、自分を眺めているのがわかる香苗。恥ずかしい、全裸になって、抱き合いたい、手ブラして陰毛の処を隠す香苗は、羞恥の気持ちです。男の人の勃起した性器を、ほぼ、初めて目にする香苗は、どれでもドキドキ、これ、わたしのなかに、はいる、そう思うと、顔が、頬が、火照ってきます。
「ああ、せんぱい、あん、ああん」
全裸のまま、立ったまま、香苗、抱かれてしまいます。康太には、柔らかい女の肌の感触と、甘ったるいような女の匂いが、たまりません。
「ベッド、いいんやろ、かなえ、いいんやろ」
クンニもフェラもないままに、ダブルのベッドに寝そべります。香苗と康太は抱き合います。抱き合って、キッスして、康太が身体をまさぐってくるので、香苗はなされるがまま、触られる変な気持ちを感じていきます。
「ううっ、うん、うん、ああ」
康太が股に手を入れてきて、香苗、仰向きになります。覆いかぶさる感じで、康太が、股をなぶってきて、乳首をぷちゅぷちゅと吸ってきます。
「ああっ、せんぱい、あああん」
康太が、仰向いた香苗の足をひろげさせ、その足のあいだに座りこみます。正面から、香苗、康太の両手で、双方の乳房をなぶられます。太腿をひろげ、膝をたて、康太が、ぐっと近寄ってきます。もう、康太のおちんぽは勃起しています。その棒になった勃起ちんぽが、ひろげた股に当てられてきたのです。香苗、わかります、康太の勃起ちんぽの先が、股に当たってきて、なにやら、ううっ、痛みが、きつい痛みではないから、でも、痛かったことがよみがえってきて、ううっ、ああっ、康太の柔らかい肉棒の先っちょが、自分の肉を割ってきたのがわかります。
<ああっ、せんぱいっ、ああっ>
「ううっ、ううっ、せんぱい、いいっ」
「かなえ、かなえ、ううっ、いいのか、かなえ」
ぶっすり、身体の中に挿し込まれてくる男の性器、勃起ちんぽの感触です。痛いような痛くないような、快感とは思えないけど、突きあがってくる身体の内側を感じます。
「ああ、ううっ、う、う、ううっ」
仰向かせた裸体、膝を立て、太腿をひろげた香苗の股に、ぶっすり、男のモノ、勃起するちんぽを感じます。これがセックス、オナニーをする香苗ですけど、全然ちがう、違うのです。

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仰向いて、足をひろげ、康太におおいかぶされ、膣に康太の勃起したちんぽを挿し込まれた香苗。
「ああっ、ひやっ、うっ、ううっ、ああっ」
康太の腕の中で呻きます。股に男の勃起物が入れられている感触は、まだ痛みがともなった圧迫感です。快楽とはいえないけれど、からだがふっ切れていく感じがします。
「いいね、いいんだ、かなえ、いいんだね」
「ああ、ああ、せんぱい、ううっ、ああっ」
香苗、喘ぎます。ぶすっと挿入させられた勃起ちんぽの鈍い刺激で、からだが浮いてしまう感じです。なんともいえない、からだの内側から、にゅるにゅると滲みあがってくる感じです。
「ああ、ああ、だめ、ああ、ああ、せんぱいっ」
康太が、腰を動かし、勃起させたちんぽを、抜いて挿してくるのです。柔らかい刺激が、香苗のからだへ電流のごとく走ります。快感とは思えないけど、得体のしれない魔物です。じ〜んと痺れているような、からだに挿し込まれる男のモノを、大学三年生になって初めて、香苗は感じるのです。
「おお、ああ、いい、いい、おお、ああ、いいっ」
覆いかぶさっていた康太が胸をもちあげ、反り返る感じで、香苗の膝裏に腕を巻いてきて、お尻を持ちあげさせてくるのです。香苗、太腿をひろげてもちあげられ、股を斜め上にされ、そこへ康太、勃起のちんぽを、ぶすっと挿し込んでいるのです。
「おお、おお、おおっ、ううっ、ううっ」
康太は、いつの間にか香苗が気づかないまま、コンドームをつけていて、射精する兆しです。香苗にはそのタイミングがわからないまま、ぶすぶす、ぶすぶす、目をつむっているあいだに、康太の動きが止まって、ぴくんぴくん、感じたのです。
「ああ、ああっ、せんぱい、ああっ、あ、あ、あっ」
康太が力を抜いていて、挿し込まれていた康太のモノが抜かれて、香苗、足を開いたまま、仰向いたまま、このセックスのおわりを感じたのです。
「あっ、ああん、せんぱい、いいっ」
香苗、どうしたわけか、涙が出てきて、悲しくもないのに、目尻に涙が流れ落ちてきたのです。






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