愛欲日記-3-
  12~13 2018.7.27~2018.8.19

 

-12-
<耕三のアトリエ>
塾講師で生計を立てながら絵描きをめざしている27才の長野耕三です。半年ほど前に知り合ったグラフィックデザイナーの大田多恵とは、男と女の関係です。男と女の関係とは、セックスする関係です。多恵が耕三のアトリエへやってくるのは金曜日の夜からです。デザイン会社に勤める多恵の仕事が終わるのが午後7時です。このまえはラブホテルで過ごしたから、今日はアトリエ訪問です。内心、セックスをゆっくり、たっぷり、思う存分味わいたい。今夜は感じる日、多恵の体調からして、今夜は感じられる夜、そのように計算しているところです。
「きたよ、こんばんわ、ごはん、買ってきたのよ、サンドイッチだけど」
「ありがとう、多恵、いいんだね、今日は、いいんだよね」
「ええ、耕三さま、いいんですよ、今日は、恥ずかしいけど、いいのよ」
多恵の声がうわずり、耕三の声もうわずり、二週間ぶりの多恵の訪問に、気持ちをときめかせる向きあった男と女、耕三と多恵です。
「ほら、こっち、後ろ向いて、ほら」
八畳のフローリング部屋はアトリエになっていて、絵の道具が詰まっているから、床は畳一枚分の広さしか空いていません。アトリエのよこに三畳の間があって、ここは寝室、バストイレ、キッチン、それぞれに区切られているけれど、新婚さんならこれで十分の広さです。聖護院の近くのマンションで、家賃は六万円、一晩二千円です。
「ああん、耕三さまぁ、いま、来た、ばっかよ、ちょっと、まって」
先週は、ラブホテルでの密会だったから、泊まりでなくて休憩だったから、落ち着かなかった多恵でした。気分としては、まだ八時前だし、たっぷり真夜中まで時間もあるし、明日、休みだから、朝寝してもいい。耕三は、多恵を迎え入れて、からだがクタクタになるまで、多恵と交わりたいと思っているのです。
「ああん、耕三さまぁ、あああん」
立ったまま後ろから抱かれて、胸のうえに手を当てられる多恵です。まだ半袖の水玉模様のワンピース。インナーは緩めの素材で、ショーツとブラだけ、素足でソックスです。
「待ってたんだよ、とっても、多恵、来てくれるの、待ってたんだよ」
「ああん、わたしだって、ああん、耕三さま、ああん」
畳一枚分しかない床に立ったままで耕三が、後ろから抱きついていて、スカートの裾をめくって、太腿、ショーツを穿いた腰を露出させてしまうのです。耕三は綿パンに綿シャツ、すでに半勃起させていて、めくり上げた多恵のお尻に、綿パン穿いたままの腰を押し当てるのです。下半身を剥かれ、生成りのショーツだけの多恵は、後ろにまわした手で、耕三が降ろしたジッパーのなかへ手を入れ、ブリーフのうえから弄りだすのです。静かな部屋です。布の擦れるサラサラの音が静寂を破ります。

-13-
耕三のアトリエへやってきてまだ15分も経ってないのに、多恵、もうセクシームードに包まれています。一週間ぶりに抱きあうから、からだは新鮮にフレッシュ、25才だし、熟れかけたところかも知れない女体です。
「はぁああ、耕三さま、むむむむっ、ううっ、ああん」
後ろから抱かれて、ワンピースを脱がされてしまうと、多恵、生成りのブラジャーとショーツだけです。耕三はシャツを脱ぎ、綿パン姿でジッパーがひらいたところです。
「なっ、多恵、いいだろ」
軽く多恵のブラをつけた胸を抱く耕三が、後ろから耳元で囁くように言います。多恵は、耕三の手をほどき、くるりと耕三に前を向け、しゃがみこみます。しゃがみこみ、立ったままの耕三のベルトを外して綿パンを脱がします。母親が子供の下着を脱がす要領で、大きな子供の下着を脱がしてあげるのです。
「はぁあ、ああっ、耕三さまぁ、ああっ」
明るい光が窓から這入り込むアトリエです。畳一枚分の床、絵描きの机にお尻をくっつける耕三の、ズボンを脱がし、ブリーフを太腿までおろして、男のモノを露出させた多恵が、ゾクっとさせてそれを見つめます。半勃起状態で、少しうなだれているとはいえ、起ちあがってくるペニスに、興奮をおぼえます。
「ううん、多恵、ううっ、ふぅうううっ」
しゃがみこんで片膝立ての多恵が、右手に陰茎を握ったので、耕三は腰をぐっと前へせりださせます。握られて、気持ちいい、ゾクゾクっとしてくる感覚に、耕三が呻き多恵の頭を後ろから抱えるのです。
「うううん、ふうん、ううっ、ううっ」
多恵は、右手に握った耕三の、ペニスを見つめて、手を陰毛に押し込みます。剥けていた亀頭が、剥けきってカリ首から先をツルツルにしてやります。左手は根元に押しあて、顔を近づけ、剝いた亀頭に唇をつけます。むっと唇を突き出すようにして、亀頭の先の鈴口の、滲み出ているヌル露を、唇で拭きます。ヌル感触で薄いトロ味に多恵の味覚が刺激されます。
「ううん、いい、いい、多恵、いいよぉ」
耕三は、多恵の頭の後ろに手をおいて、口に咥えさせたペニスを勃起させます。多恵は、亀頭から陰茎の半分ほどまで、唇でカリ首からの皮を剥き下げ、亀頭を吸い上げ、ぎゅっと搾りあげるのです。
「ううっ、ふぅううっ、ふうう、すうう、ふううっ」
ぺっちゃぺっちゃ、ぐっちゅぐっちゅ、多恵は勃起するペニスを濡らさせながら、絞り上げ、擦りあげるのです。耕三は、ふうふう、多恵の頭から右手を肩に移し、首後ろを愛撫して、そのまま胸へとおろしてくるのです。生成りのブラジャーをつけたままの多恵。手をそのなかへ入れられ、乳房を弄られだすのです。















































































































































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