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小説:愛の巣日記

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小説:愛の巣日記-1-
 
1~6 2012.1.11~2012.1.18

    

-1-

こんにちわ、落合佳織です。
京都にある大学の二年生、二十歳になっちゃいました。
興味あるのは、やっぱ、男子のことかなぁ。
同級生って、ちょっとおぼこい感じなんですよぉ。
それで、佳織は、年上の男性が、いいなぁと、思っています。
ええ、佳織の先輩で、大学院に在籍の、村田武志さん。
25才なんですけど、ゆくゆくは大学の教授さまになられる。
ちょっと、このまえ、美術展へ行ったんです。
京都の国立近代美術館って、あるじゃないですか。
「それで、落合君は、西洋派、それとも日本派?」
ティールームで、佳織はダージリンのお紅茶を頼みました。
武志さんは、抹茶、グリーンティー、それでした。

それで、佳織は西洋派、そこから、お話、いろいろ。
マリーアントワネットさんって、オーストリアの方。
フランスの王子さんのお嫁になっていかれて、悲劇ぃ。
はい、武志先輩は、日本派だとおっしゃるんです。
和服、着物姿の女子なんか、最高に美しいとおっしゃるんです。
それから、夕方までお話していて、暗くなっていました。
疎水の道を歩いて、動物園のまえを通って・・・・。
そのあとのことは、どの道と歩いたのか記憶にありません。
覚えているのは、あの、薄暗い和室、ホテルの一室です。
なんだか、佳織、狐につままれたような錯覚、眠っていたんでしょうか。
気がつくと、下着だけのすがたで、籐の肘掛椅子に座っていました。
目の前に、白いワイシャツを着た武志さんが、立っているんです。

「ふうん、気がついたのかい、落合君」
「はぁ、ここは、どこ、わたし、どうして、ここに」
ふうっと記憶がよみがえってきて、疎水の道を歩いていて。
「落合君ったら、急にしゃがみ込んでしまって、それから」
佳織、なにが起こったのか、理解できません。
いま、薄暗い和室の籐の肘掛椅子に座っているのが、夢かも。
<ああ、なにするんやろ、せんぱいぃ、なにするの?>
無言のままの、武志さん。
手にした手拭いで、佳織の手首を括ってしまうんです。
そうして、括った手首を、頭の上へと持ちあげるんです。
「ああ、なに、するんですかぁ、せんぱいぃ」
佳織は、まったく要領が呑み込めないまま、びっくりです。



-2-

括られた手首を、頭の後ろへもってこられた佳織。
籐の肘掛椅子にカットソーとソックスだけの姿で座っている佳織。
ええ、ブラとパンティはつけてますけど、どうして?
どうして、上着とか短パン、脱いでいるんやろ?
「佳織って呼んじゃうね、佳織、じぶんで脱いだんだよ!」
「ええっ、どうしてぇ、おぼえていません、ほんとです」
佳織は、手をあたまのうしろへあてがったまま、不思議です。
「うっそゆうんじゃないよ、佳織、じぶんで脱いだくせに」
武志さん、佳織を錯乱のなかに、落としこんでしまうんです。
きっとこれは策略にちがいありません。
でも、下着類だけつけて、薄暗い和室にいるのは事実です。

四畳半の薄暗い和室、ふすまの向こうにベッドがあります。
ここって、ラブホテル、そうなんや、ラブホテル。
佳織、初めてです、こんなとこへ這入ったの、初めてです。
それよか、男の人と、抱きあうってことするんでしょ。
ええ、佳織、うそじゃないです、いまどき、処女です。
だから、どうしたらいいのか、佳織、ドキドキ、困ったなぁ。
「知ってるんでしょ、佳織、男のこと」
武志さん、佳織の前に中腰で、尋ねてきます。
佳織、どない答えたらええんやろって、正直にいいなさい。
「知ってるんやろ、経験してるんやろ、大学生なんやから」
「うち、うち、しりません、していません」
小さなお声、佳織、恥ずかしそうにお顔を伏せて、いいます。

武志さんが、佳織を肘掛椅子から立たあがらせます。
手は頭の後ろへもっていったまま、佳織、立たされます。
それで、佳織、武志さんに、抱かれてしまいます。
「ああっ、せんぱいぃ、だめ、だめですぅ」
ぎゅっと脇から背中へまわされた武志さんの腕が締まります。
「佳織、好きなんや、おれ、佳織がほしいんや」
武志さん、抱きしめた佳織へ、キッスしてきちゃう。
佳織、ドギマギ、こわい、どないしょ、頭の中、真っ白です。
佳織だって、大学院にいる先輩、村田武志さん、知ってます。
でも、好きだなんて、思ったことないです、ほんとです。
「あああっ、せんぱいぃ、あかんですぅ」
キッスされ、唇はなされ、胸をさわられてしまう大学の二年生佳織。



-3-

手首を括られ、抱きあげられて、ベッドへ運ばれていく佳織。
ふかふかのベッドに仰向かされて、パンティを強引に脱がされる佳織。
「だめ、だめ、せんぱいぃ、あかんですぅ」
佳織、強引に、突然のことで、動転しているんです。
ベッドのへりに立ってる武志さんが、下半身裸になっちゃいます。
「ええんやろ、佳織が誘ったんやろ、そうやろ!」
武志さん、仰向いて腰のまわりを裸にされた佳織に、かぶさります。
佳織は、手を頭のうしろに組んだまま、股間をひろげられます。
上半身を押さえつけられたまま、太ももをひろげられちゃいます。
「いたい!、痛いっ!、やめて、痛いですぅ!」
佳織、からだの芯に、強烈な痛みを感じます。

処女やったのが、最初にされるときって、苦痛なんです。
ええ、膜が破られるってゆうじゃないですか、そのときの痛み。
「おおっ、佳織、ほんとに初めてなんや、そうかぁ」
ぶすっと挿しこもうとした武志さんが、躊躇しちゃいます。
佳織が、痛みを訴えたから、泣き出しそうになったから。
ベッドのうえ、いったん佳織から離れた武志さんが、佳織を裸にします。
カットソーとブラジャーを頭のうえへ、ハイソックスは穿いたまま。
そうして、佳織、こんどは、ゆっくり、挿しこまれていきます。
なにがなんだか、佳織、まるで夢の中に泳いでる感覚です。
痛みが、からだの芯に走ったけど、ゆっくり挿しこまれだしたんです。

「いたいの、がまんするんや、佳織、さいしょだけやから」
武志さん、おおいかぶさった裸の佳織に、いいます。
佳織、痛みをこらえて、でも、こらえきれない痛さではなくなりました。
「はぁあ、せんぱいぃ、うち、うち、だめですぅ」
泣くような、悲痛な感じ、大学二年生、佳織、初めての体験です。
ただ寝そべって、武志さんがはだかのからだを開いてくれます。
佳織、後悔なんてしていないけど、それから、武志さんとします。
会うたびに、求められてきて、佳織、しちゃいます。
痛みも、それからなんかいかのあと、なくなりました。
感じる、快感、まだ、佳織、それが快感なのかどうか、わからない。



-4-

美術館の帰り、武志さんと最初の体験をした佳織です。
それから、一週間が過ぎても、佳織へメールがきません。
佳織には、その日の出来事が頭の中に渦巻いています。
ラブホの名前は、風水ホテル、和風なたたずまいです。
お部屋のなかは、四畳半の和室とベッドルーム。
そこで、佳織、武志さんに、処女をさしあげたんです。
痛かった、その思いが込み上げてきて、でも、でも。
佳織は、後悔なんかしていませんけど、でもぉ。
恋人ではないんです、愛してるわけでもありません。
武志さんは、大学院にいらして将来は博士さんです。

そんな思いをめぐらしているとき、メールがきました。
また、会いたいけど、どうですか、と送ってきました。
佳織、返信メール、お会いします、と返します。
午後5時に、岡崎公園の大きな鳥居の前のバスストップで。
午後5時っていえば、もう暗くなってきている時間です。
佳織、指定されたバス停へ行くと、すでに武志さんは来ていました。
それから、岡崎道のレストランでお食事をしました。
その日は金曜日で、だいたい午後6時ごろだったと思います。
佳織、この前に行ったラブホへ、連れていかれたんです。
ラブホって、入るの、めっちゃ恥ずかしいじゃ、ないですか。
でも、武志さんは、佳織の気持ちなんか無視です。

お部屋はこの前と同じ造り、四畳半の和室とベッドルーム。
羞恥部屋D-51、なんて札が張られているんです。
しゅうちべやでぃごじゅういち、なんか変な名前ですけどぉ。
「佳織、また来ちゃったね、いいんだよね」
お部屋へはいって数秒後、佳織、立ったまま抱かれてしまう。
「はい、うち、来ちゃいました、いいんですぅ」
佳織は、もうドキドキ、心臓が高鳴って、お顔が紅潮しちゃう。
軽く抱かれて、手をもぞもぞ動かされて、佳織、こそばゆい。
「はぁ、せんぱいぃ、うち、来ちゃったよ、うち・・・・」
佳織、二十歳になったばかり、大学は文学部の二年生です。



-5-

和室のお部屋ってなんかしら落ち着く感じがします。
それに薄暗いんですけど、スポットライトがあります。
四畳半のお部屋、その向こうにピンク色のダブルベッドです。
ダブルベッドの壁一面に、大きな鏡が張られてあるんです。
佳織、薄暗い四畳半の和室が明るくなったのがわかります。
スポットライトが、お部屋の中心部を照らしていて、佳織に当たります。
「ふうん、佳織、いい匂いしてるんやねぇ」
武志さんが、軽く抱いた佳織の髪の毛にお顔を当てて、言います。
「はぁ、せんぱいぃ、うち、うちぃ・・・・」
軽く抱かれていたのに、ぐっと強く抱かれて、唇がかさねられます。

立ったまま抱かれていたところから、畳の上に寝かせられる佳織。
黒塗りの座敷机と座椅子が、お部屋の壁際につけてあります。
古めかしい鏡台が置かれています。
お座布団を敷いたうえに、佳織、仰向きです。
武志さんも、佳織のそばで、横向きになって寝ころびます。
「ふうん、佳織のこと、すきになったよ、とっても」
武志さんは慣れた手つきです。
佳織のつけているシャツのなかへ、右手を入れてきます。
佳織は、好きになったといわれ、されるがままです。
「ああっ、せんぱいぃ、うち、あかんですぅ」
緊張のあまり、とってもこごわったお声になっている佳織。

シャツがめくりあげられ、ブラが露出します。
スカートがはずされ、黒いパンティストッキング姿。
ブラジャーのホックがはずされ、乳房が露出しちゃいます。
ストッキングは腰からきっちり、穿いたままです。
そうして、武志さんが、上半身裸になり、ブリーフだけになります。
「ああっ、はぁああっ、ああん」
武志さんが、右手を乳房のうえにかぶせてきます。
佳織、武志さんに左腕で、首うしろから肩を抱かれます。
そうして、武志さんは、佳織の乳房へ、唇をつけてくるんです。
ぷっくら膨らんだ佳織の乳房です。
左の乳房をすそから右手で握りあげられ、乳首を唇にはさまれるんです。



-6-

佳織は、最初のときのことは、はっきりと覚えていません。
どんなふうにして、愛されたのか、ただ痛かった。
でも、きょうは、にかいめなので、そのつもりです。
武志さんがブリーフだけになって、佳織、ストッキングを降ろされます。
お尻を抜かれ、パンティと一緒に、脱がされてしまいます。
シャツとブラだけが、おっぱいのうえで留まっています。
ダブルベッドのうえ、寝そべった佳織へ武志さんがかさなります。
ブリーフを脱がれて、佳織、太ももをひろげられて、その間に武志さん。
立膝で、太ももを開いた真ん中へ、武志さんが迫ってきます。
<ああっ、きつい、いたい、ああっ>
まだ羞恥部屋にはいって、10分もたってないと思う。

武志さんが、野獣のように思える。
上半身を抱かれ、お股の真ん中へ。
勃起してるおちんぽ、挿しこんできちゃう。
「佳織ぃ、おれ、佳織がすきやからぁ」
<はぁあ、せんぱいぃ、うち、うち>
「ええんやろ、佳織、おれとするん」
<ああっ、せんぱいぃ、うち、ええんですぅ>
ぶすっ、佳織、勃起おちんぽ、いきなり挿入です。
「いたいですぅ」
まだ濡れてなんかいない佳織、窮屈です。
でも、武志さんから、無理やり入れられちゃう。

ぶすぶす、強引に入れられて、抜かれて、入れられて。
佳織、太もも拡げて、お膝を肩にだかれて、お尻を持ち上げられます。
「おおっ、佳織ぃ、いいぜ、めっちゃ、いいぜぇ」
ぶすぶす、武志さん、ぶすぶす、佳織はまだ感じるなんてしません。
その武志さんが、スキンをつけてくれて、ぶすぶす、あああっ。
ピクン、ピクン、射精してしまうんです。
佳織は、息が深くなる程度で、まだ十分に濡れないままで射精。
でも、佳織、なにがなんだか、わからないままです。
武志さんとの、その日のいっかめセックスが、終わったんです。
ふかふかのダブルベッドのうえ、横にはおおきな鏡、佳織は裸です。