えろす物語-友子-
-16-
2005.12.10〜2005.12.16

     

SMショーを見た数日後、友子は大木に呼ばれた。嵯峨野の竹薮をくぐって、大木のアトリエへ着いた友子は、この前大木と祇園のホテルで会ってからの出来事を、悪夢のようにも思いながら、思い出していた。
「おお、来てくれた、久しぶり!相変わらず可愛いね、友子ちゃん!」
大木は、ニコニコしながら、友子をアトリエ側の部屋へ通した。通いなれた大木のアトリエ。思い出すことがいっぱいある狭い部屋。友子は、タロウとの出来事を、大木に知られたくないと思った。
「なにか変わったことがあったんじゃないの?」
「いいえ・・・真面目に学校へ通って、お勉強してましたわよ・・・」
「ホントかな〜なんか変だよ、友子ちゃん、体調がよくないのかな・・・?」
大木は、友子の顔をジロジロと眺めて、そうして足先のほうまで、目線で舐めまわした。

     

大木は、友子がアクメを迎えたときの表情を思い出す。目の前で、バックから責められて逝ってしまった瞬間の友子の表情を思い出す。友子は、そんなことは知らないのだ。
「いいんだろ、今夜、ゆっくりしていくんだろ!」
大木からそう云われて、友子は軽くうなずいた。大木から、また、ねちねちと執拗なセックスが待っている。タロウほどの若さがない大木だ。友子は、大木の前に座ったまま、タロウの姿を思い起こしていた。
「今日はね、新作があるんだよ、あとで試してあげるね、いいね、愉しみだろ?!」
新作とは、現代美術家大木が考案した責め具のことだ。友子の身体サイズにあわせて、大木が造る。大木の作家意欲は、友子がいないと湧いてこないのだ。

友子が部屋の天井を見上げると、二本の竹竿が吊り下げられているのが判った。友子は、先日のSMショーを思い出した。あの時、京子嬢が二本の竹竿に括られて責められていた・・・。友子は、そう思うと、一気にSMショーで見た記憶に導かれていった。
「そう、竹竿が二本・・・友子ちゃんのお気に召すかどうか、ねえ、判る?どうして使うのか・・・ふふっ・・・」
そう云いながら、大木は手元のスイッチボックスを操作し始めた。天井から二本の竹竿が緞帳のように、スルスルと下りてきた。
「これが新作なんだ、いいかね、この竹竿がね、このスイッチボックスで、自在に動かすことができる・・・」
大木は、スイッチボックスのつまみの一つを右へと捻った。竹竿の一方がスルスルとせり上がっていく。テーブルに皮製のトランクを置き、大木が蓋を開ける。

「ほれ、友子ちゃんが悦びそうなお道具が、ほれ、また、これを使おうね、うっふふっ・・・」
大きな皮製トランクには、性の責具がびっしりと詰め込まれているのだ。友子は、開けられたトランクの中を覗き込んで、クラクラと目眩を覚えた。麻縄の束、六尺晒、皮製の枷、それにバイブが何本もあり、小瓶やクリップやテングス・・・。大木が揃えた友子のための責め道具なのだ。
「友子ちゃん、竹竿の前に立って、手を拡げてみてよ!」
大木は、ソファーに座ったままの友子を促した。友子は、目眩を感じながら、立ち上がり、竹竿の前で手を拡げた。大木が立ち上がり、友子の拡げた手首へ縄を巻き、竹竿に括りつけていくのだった。

     

二本の竹竿が使われていた光景。友子は、手をひろげて竹竿に括られながら、SMショーの光景を想い起こしてしまう。和室からアトリエを見ると、まるで試着室、人がひとり立って入れるほどのボックスが作られている。
「ああ、大木さん、わたし、もうこんなの出来ない、したくない・・・・」
友子は、タロウから受けた調教を思い出している。友子の心が、タロウに傾いている。タロウのほうが悦ばせてくれる。
「まあ、そう云わずに、この前と同じじゃないか、見せてもらったんだよ、友子の悦んでる姿・・・・」
大木は、タロウに凄まじく調教される友子を見た。友子の心が、タロウに移りかけている。大木は、男の直感で、そう思った。

着衣のまま、竹竿に両手を拡げて、十字の姿にされた友子。大木は、スイッチボックスで操作しながら、手を括った竹竿を、床に友子の爪先がつくところまで引き上げた。
「ぁああ〜大木さん、苦しいわ〜ぁああ〜まだ、ダメよ〜」
「なあに、こんな程度で!まだ、服も脱いでないじゃないか!」
大木は、友子の言葉を無視するように、最初にパンティを脱がしにかかった。十字にされた着物形の友子。裾から割られて大木の手が入る。太腿を丸出した腰から尻を抜かれて、一気にずり下げられた。
「今日のパンティは、ピンクか〜可愛いの穿いてるんだね〜!」
友子は、パンティを見られて、恥ずかしい気持ちに見舞われた。

友子は、足を拡げられ、床に置かれた竹竿に括られる。
「ぁああ〜だめ、だめよ、大木さん、今夜は、ダメよ、やめて!」
「どうしたの、今日は、ちょっと変だよ、友子ちゃん!」
友子が云い、そう受け答えしながらも、手を休めようとしない大木だ。友子の手と足が拡げて竹竿に括られ、大の字になった。そうして友子は、着物の襟をぐ〜っと開かれていくのだった。
「ぁああ〜ダメだって・・・ダメ、だめよ・・・ああ〜ダメよ〜!」
乳房が着物の間から洩れだし、股間の陰毛とあめ色の乳首が、大木の情欲をそそる。

     

大の字になった友子のからだを、大木の手が撫ぜはじめる。顔を撫ぜあげ、首から肩、そうして乳房を揺すり、腹から股間へと手が触れられていく。
「ぁああ〜やめて、大木さん・・・ぁああ〜こそばいわ〜ぁああ・・・・」
磔になったお姫さま。友子は、両手両足を二本の竹竿に拡げて括られ、お擦りを受ける。手での愛撫が終わると、唇と舌で、大木は友子のからだを舐めだしていった。
「あっ、ぁああ〜あっ、ぁああ〜ぁああ〜ん・・・・」
拡げた太腿の内側を舐め上げられだして、友子はそのこそばさと軽い刺激で、身を悶えさせだした。
友子は、無理矢理喜悦の中へ放り込まれていく自分を、もどかしいと思った。大木の唇と舌先で、皮膚を撫ぜられると、やっぱり感じてしまう。二本の竹竿で大の字にされた友子。身動きできないから余計に感じてしまう哀れさを思う。
「ぁああ〜大木さん、許して、今夜は許して・・・お願い・・・許して・・・」
友子は、感じてしまうからだを、無理矢理感じさせない、とでも云うように哀願しだした。
「だめ、ダメだよ、友子!許さないよ、今夜はタップリ可愛がってあげるんだから!」
大木は、友子の哀願を無視するかのように、手作りの張形を持って、友子の股間に押しつけていくのだった。

「ぁああ〜だめ、だめ、そんなので擦っちゃ〜だめ、ぁああ〜だめよ〜!」
友子は、股間を擦りつける張形から逃れようもなく、ただ声をあげるだけだ。無残にも両手両足をすでに拡げきってしまったのだ。大木は、張形の先で陰唇を割り、秘口の中へと挿入しだす。
「なんてったって、こんなに濡らしてるんだから、感じてるんでしょ!」
「ぁああ〜だめ、そんなに急いじゃ、いや、もっとゆっくりやってよ・・・」
ついに友子が折れる格好で、大木が持った張形を受け入れだした。大木は、張形を秘壷に挿し込んでいく快感を、愉しむのだ。女を責める。身の自由を奪ってやって、思いのままに弄ぶ、その快感だ。普段は清楚な身なりの女子学生友子だ。大木は、そんな友子を蹂躙していく快感に酔いだしていくのだった。

     

「ほれ、友子ちゃん、根元までおめこに入ってしまったよ、どんな感じ?」
「ぁああ〜だめよ、わたし、壊れちゃう、ぅうう〜」
「いい気持なんでしょ!大きなペニスが、友子ちゃんのおめこの奥まで入っちゃった!」
大木は、友子の秘壷へ張形を挿し込んだまま、抜け落ちないように紐を腰に括りつける。そうしてスイッチボックスを操縦しだすのだ。
「ぁああ〜ぁああ〜だめ、わたし壊れる、ぅうう〜」
足首に巻かれた竹竿の右端が持ち上がっていく。友子のからだは、秘壷に張形を埋め込まれたまま、右の膝が折られながら上がっていくのだった。友子の上半身が艶めかしく揺れ動く。
「ひぃい・・・ぁああ・・・ぁああ〜あああ〜っ・・・!」
右足が上がると共に、秘壷の張形が襞を刺激しだして、友子はビリビリと抉られ裂ける快感を受け入れる。

「ほ〜れ、よくなってきたんでしょ!感じてるんでしょ!うふふっ、友子ちゃん!」
「ぁああ〜だめ、もっとゆるくして〜逝きそう・・・あああ〜逝ってしまいそ〜あっ、ああ〜ん」
大木が乳房を握ってやる。友子の乳房は、はち切れんばかりに張っていて、プリプリだ。乳首を抓んでやる。プリンプリンに張った乳首だ。友子は、乳首を抓まれて、ピリピリ快感電流を流し込まれる。
「ぁあああ〜だめ、逝く、逝く、もう、だめ!はあああ〜はあっ、ぁああ〜逝くぅうう〜!」
まだ竹竿責めは始まったばかりなのに、友子は、すでにエクスタシーを感じはじめていた。今しがたまで、いやよダメよと拒否していたのに、からだが感じだして止まらないのだった。

右足を腰のあたりまで引き上げられた友子は、苦しがった。二本の竹竿で両手両足を拡げた姿にされ、片足を吊られたものだから、からだのバランスが崩れるのだ。とはいえ、竹竿の端が天井からのロープで括られているから、友子の身体を崩しそうでバランスをとる格好になる。
「ぁああ〜苦しい・・・ぁああ〜解いて・・・」
友子は、大木に哀願するのだった。大木は、友子が悶え苦しむ表情を見て、よけいに昂奮してしまう。
「友子、なんぼあがいても、解いてやるもんか、観念しな!」
「ぁああ〜だめ、大木さん、だめ、許して・・・」
大木は、タロウにバックから責められてアクメを迎えた友子を、可愛いというよりも憎さのほが強かった。大木は、嫉妬しているのだ。

     

「友子、知ってるんだぞ、SMショーを見に行っただろ!」
大木は、友子のバランスを崩しそうな身体を、乳房や股間を触りながら云った。
「友子は、いい気持ちになってたじゃないか!」
友子の秘壷に挿し込まれた張形の根元を左右に揺すりながら、云う。
「ぁああ〜だめ、ダメってば・・・ぁああ〜そんなに責めないで、お願い〜!」
友子は、大木からSMショーの現場のことを云われて、寒気がしてくるのだった。
「ここで、同じことをやってやるから、友子、思いっきり悦べ、いいな!」

今夜の大木は、いつもと違って手荒かった。友子は、いつもとは違う大木の責め方に、得体の知れぬ哀しみのような感情に包まれていった。
「ほれほれ、友子、もっと嬉しい声をあげな!ほれほれ、おめこグジュグジュに濡らしな!」
秘壷に挿し込んだ張形を、無理矢理抜き出しては、ずぼっと挿し込む。先が太くてくびれが深い張形だ。友子は、秘壷の襞をえぐられて、もう恥汁をほとばしりだすしかないのだ。
「ぁああ〜だめ、ダメよ〜ぁああ〜だめ、だめ、そんなきつく擦らないでよ〜!」
手を縛った竹竿が持ち上がり、友子の足先が畳から浮いた。

「友子、吊られたまま、どこまで耐えられるか、見てみようね!」
大木は、宙に浮いた友子をそのままにして、壁際へと退いた。
「ぁああ〜痛い、痛いわよ〜降ろして、降ろしてよ〜!」
「なに、痛い?!そりゃそうだよ、吊ってあるんだもんね、うっふ、いいね〜〜!」
 友子は、吊られた苦しみのなかで、磔刑のキリスト像を思い描いた。
<ぁああ〜もうだめ、ぁああ〜だめよ・・・わたし、もうダメよ・・・>
友子は、もう悲しさでいっぱいになり、涙をぽろぽろとこぼしていった。

えろす友子(終)



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