えろす愛子物語
 第一章
 1〜4  2006.11.12〜2006.11.18

     

-1-

愛子が銀行のロビーでお客様相談員として仕事をするようになって、来店者数が増えたといいます。愛子27歳、京都の大学を卒業と同時に3年間、H銀行の大阪本店に勤めた経験と、本店為替管理部の久保田部長の紹介で、ここは虎ノ門支店の窓口相談員となったのです。
「いらっしゃませ!」
愛子は、ロビーへ入ってくる顧客に、声をかける。紺の制服に身をつつんだ愛子は、容姿端麗、ちょっと硬いキャリアウーマンのようにも見えます。勤務時間は、午前8時半から午後3時半のパートタイマーです。

愛子は、世田谷のマンションで、俊介と同居しているけれど、結婚はしていません。京都の同じ大学に通った同窓生です。愛子は、大学を卒業し、銀行に3年間勤めて退職し、俊介のいる東京へ出てきたのです。それから一年がたち、二年目のいま、ふたたび銀行の窓口に立って、仕事をするようになった。これが愛子の大学卒業後の外見履歴です。
「いらっしゃいませ、ありがとうございました」
あいそいいもてなしで顧客を満足させる愛子がいるのですが、これは外見、オフィシャルです。ところで、プライベートなところでは、女として、セクスの悩みや男関係の悩みをもった女の子です。

     

俊介とはつきあいだして3年目になります。すでに同居しているから、結婚して家庭を築くことに直結しているのですけれど、久保田部長とのヒミツの関係が、愛子を悩ませるのでした。その久保田部長から、携帯にメールが届いたのが、金曜日の午後でした。渋谷で午後6時に待ち合わせるというメールです。愛子は、俊介の存在を思い、どうしょうかと迷ったけれど、久保田部長のアポを断るわけにもいかなくて、俊介には、それなりの口実で、帰りが遅くなるとのメールを打ったのでした。
<ああ、わたし、わるいことしてる、わたし、俊介を愛してる、あいしてる、愛してる・・・>
愛子は、午後6時、渋谷のハチ公前で久保田部長と落ち合い、それから道玄坂を連れ立っていきます。愛子は、久保田部長と行きつけのホテルへ行くのです。

-2-

ホテルの一室では、久保田部長はエスと名乗ります。ダブルベッドから1m離れた壁一面に、大きな鏡がはめ込まれたルームです。ルームの基調色はピンク系、SMルームです。この前、愛子は、久保田部長から、このルームの仕掛けを知らされたとき、目眩を覚えてしまったのです。というのも、このプレイルームは、ショールームだというのです。鏡の向こうは、観客が見物しているんだというのです。愛子は、見られているんや、と思うことで、恥ずかしさというより、女の性がいっそう疼くように感じられたのです。

「だからさ、愛子は、もうアイドルなんだよ、デビューしちゃったのさ」
銀行OL愛子の欲情処理、愛子は知らされていないけれど、客を集めるチラシにはそのように書かれているのです。リピーター客には、愛子が勤める銀行名まで教えるという主催者の戦略で、観客は厳選された趣味人ばかりです。

     

大きな鏡は、カーテンで閉められたルームに、愛子はOLの身なりでベッドの、鏡とは反対がわのソファーに座ります。照明が落とされ、音楽が流れだします。スイングジャズの静かなメロディが、愛子を包みます。鏡を閉じていたカーテンが開かれ、スポット照明がピンクルームの愛子を浮かび上がらせます。
<ああ、始まるんや、わたし、ああ、見られてる、見られてるんや・・・>
愛子は、OLスーツ姿のまま、ソファーに座っているのです。エスの姿はありません。エスが登場してくるのは、第二シーンからです。最初のシーンは、銀行OL愛子のオナニー場面です。

<ああ、ここは何処なの、わたし、なにしようとしてるんやろ、ああ、オナニ、オナニするんや・・・>
愛子は、目をつむり、ソファーの背凭れに背中をあてていきます。そうして、ぴっちり閉じていた膝を、こころもち開いていくのです。

     

紺色のスーツ、腰にぴったし巻きついた膝上10cmのタイトスカートが、太ももの半分を露出させています。愛子が、膝を30cmほど開いてしまうと、スカートのすそが太ももの上までずり上がり、ストッキングに包まれた股間が、見えてしまいます。
<ああ、みえますか、わたしのお股が、見えますか・・・>
愛子は、ダブルベッドの向こうにある鏡に、目線を向けます。鏡のそばに、ビデオカメラが三台、左右と上から、自分が捕えられているのがわかります。愛子は、物憂げな表情で、見るともなしに鏡を見ます。そうして、スーツのボタンを外し、ブラウスのボタンを外して、左手をブラの中へと入れていきます。

<ああ、わたし、恥ずかしいことしてる、ああ、学生時代をおもいだすわ、オナニ・・・>
京都の金閣寺に近いワンルームで、二十歳の自分を思い出す愛子です。ふ〜っと脳裏に想い起こされるワンルームの光景。窓から明るい光がさしこんでいたワンルーム。愛子の右手が、パンストを穿いた股間へと導かれていきます。そうして、愛子は放心したかのように、目をつむり、お臍のしたから、パンストとパンティのなかへと手をさしこんでいくのでした。

-3-

甘味に包まれたホテルの一室で、愛子は、ソファーに座り、オナニーをはじめています。左手で乳房をなぶり、右手でお股をなぶっていきます。紺色スーツがみだれて、ストッキングを穿いたままの股間が、拡げられていきます。
<ああ、わたし、オナニしてる、ああ、はぁあ、わたし、オナニ・・・>
軽いスイングジャズが流れる部屋の真ん中で、正面の鏡に向かって、愛子は、オナニを見せているのです。
<<ストッキングを脱げ>>
エスの声が聴こえてきます。愛子は、小さなレシーバーを耳にはめていて、エスの指示が聴こえるのです。

     

<ああ、ストッキング、脱ぐ、ああ、ストッキング・・・>
愛子は、ソファーに座ったまま、お尻を持ち上げ、ストッキングを降ろして脱ぎ去っていきます。白地にピンクの花柄パンティがはっきりと見えるようになった愛子です。
<<愛子、乳房を露出せよ>>
ストッキングを脱ぎ去った愛子に、エスの声が指示してきます。愛子は、紺色スーツを着たままで、ブラウスのボタンを外し、ブラを外しておっぱいを露出させてしまいます。

愛子は、ソファーに座ったまま、左手でおっぱいをまさぐり、右手をパンティの中へ入れて、もぞもぞお股をまさぐっていきます。
「ああっ、はぁ、ああ、ああ、いい、いい・・・」
二つの手で敏感な箇所をまさぐりながら、愛子は、呟くようにちいさな声を洩らしてしまいます。
<<鏡を見ろ、顔を鏡にむけろ>>
エスは、愛子のうつろになってきた表情を、鏡の向こうの観客にみせようというのです。愛子は、ふ〜っと顔をあげ、鏡の方へ目線をなげていきます。うっとり、半ば放心した表情を、鏡に向けていきます。
<<パンティを太ももまで降ろせ>>
エスが指示してきて、愛子は、白地にピンクの花柄パンティを、お尻から抜き、太もものなかほどまで降ろして、膝を拡げます。おっぱいとお股を手と指で、まさぐっていく愛子です。

     

「はぁ、ああ、いい、いい、ああ、思い出すぅ、ああ、オナニ・・・」
愛子のオナニする姿が、鏡に映されて、ビデオカメラに収録されていきます。そうして恥恥ライブで、鏡の向こうの観客に見せているのです。
<<爪先をソファーにのせろ>>
愛子は、ソファーの座りかまちへ足先をあげて、置いていきます。開脚Mの形になる愛子です。パンティが膝に絡まって紐状になり、ソファーに埋めた股間が、鏡に映りだされます。

「はぁ、はぁ、ひぃ、ひぃ、いい、いい〜!」
愛子のオナニーライブが、観客に披露されているのです。愛子は、うっとりした表情で、スイングジャズの甘いピアノの音にあわせるように、指を小刻みに動かせて、しだいにボルテージがあがっていきます。
<<そのまま、ベッドへいけ>>
愛子は、エスの指示に従います。ソファーから立ち上がり、ふらふらっとベッドに向かい、ベッドのうえにあがり、鏡に向かって、開脚Mの形になります。

-4-

愛子の部屋と名づけられたホテルの一室。壁一面の鏡の裏側はボックス席のミニシアターになっています。ソファー席の定員は10名です。透かしガラスの向こうで繰り広げられる愛子のショーを、会員が見ているのです。
「おお、ベッドにあがってきたねぇ、愛子ちゃん・・・」
中年の三つ揃えスーツを着た男が、ガラス越しの愛子の姿を見て、隣の男にいいます。

     

「ううん、いよいよ見せてくれるんだね、あの子」
隣の男は、初老の紳士、中堅建設会社の会長です。
「会長は、銀行であの子をご覧になってらっしゃるんでしょ」
「ううん、なかなかな美人じゃよ、いい女だねぇ」
他の観客もそれなりの風格ある人物で、会員制のこの会場へ、来ているのです。

「ほれ、あの子のおめこが、丸見えになってしまったねぇ」
正面のガラスの向こうで、愛子が上半身は胸をはだけさせたスーツ姿で、下半身はすっぽんで、大股開いて、オナニーをしているのです。
「はぁ、はぁ、はぁあああ、はぁあああ〜ん!」
マイクで拾われた愛子の咽ぶような呻き声が、シアタールームに流れています。ガラスの両脇に大型スクリーンが置かれて、愛子の顔のアップと股間のアップが映し出されています。

「ああ、はぁ、はぁあ、ああ、ああ〜!」
ボリュームのあがった愛子の声が、男たちのこころを揺すっていきます。
「いいねぇ、おめこの中ぐじゅぐじゅじゃ、いいねぇ、若いねぇ」
「会長、ご満足でしょ、あの銀行員が、こんなことするなんて、ですよね」
会長は、銀行のロビーにいる愛子と、ベッドのうえでお股を開いている愛子をダブらせながら、じっと愛子を見つめているのです。

     

「いい顔だねぇ、感じてるんですよね、いい女ですよねぇ」
「ほら、おめこに指入れて、おお、滴ってきてるねぇ、吸いたいねぇ」
とろんとした表情の愛子が、ベッドの上で、からだを開ききって、会長の方へ目線を投げて来ているようにも感じられて、会長は、内心どぎまぎとしているのです。
「ぷりんぷりんおっぱい、なぶって悶えてる女の子って、いいねぇ」
「それに、おまんこもでしょ」
「そうだ、おめこもだ、いいねぇ」
「はぁあ、はぁあ、はぁあああ〜はぁ、あああ〜!」
愛子が、悶える声をあげながら、からだを反らしていくさまを、正面からとらえて、観客たちの、溜息のようなどよめきがおこります。

<ああ、ああ、見て、見て、わたしを見て・・・>
ベッドのうえで、太ももを拡げた立膝で、愛子は、鏡に向かって、自分のオナニー姿を映しているのです。スイングジャズの音楽が快い気持ちにさせてくれるなかで、ベッドのうえは甘い薔薇の香りが匂ってきて、愛子は、半ば朦朧、放心状態になってきているのです。そうしているうちに、エスが愛子の部屋に入ってきます。エスは黒の皮パンツ姿で、仮面を被っています。愛子の背後からベッドにあがり、愛子の傍らに座り込み、愛子のオナニーを見るようにして、愛子と絡むタイミングを待ちます。
「はぁ、ああ、はぁ、あああ、ああああ〜ん!」
愛子が、とろんとした顔をしかめるようにして、エスの姿をちらっと見ます。まるでエスのこころを呼ぶように、愛子はそのまま、うっとりとベッドに寝そべってしまうのです。




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