アリサの手記
 第二章 1〜19 2006.1.8〜2006.2.1


翌朝になってもジロムは部屋へ戻ってこなかった。わたし、もう地獄の底に落とされた気持ち、そう、審判で地獄へ落とされてゆくヒトの、あの恐怖に満ちた顔・・・その心がわかります。わたし、眠れなかった。予感が当たらなければいいのに・・・わたしは祈った。手を合わせ、ひざまづいてただただ祈っておりました。ジロム、ジロム、ジロム・・・。わたしはジロムの顔を、あの蒼白な不安におびえるような、あの美しい芸術家、ジロムの顔を想い浮かべながら、真夜中、祈り続けていました。

     

もうお外が明るくなって、光がカーテン越しに差し込んできたころでした。フロントのおばさんに連れられた3人の男が、わたしの部屋へ来た。わたしは、恐怖におびえた。3人の男が部屋にそのまま入ってきた。
「アリサは、お前か!」
3人の男の一人、制服を着ていない一人、黒っぽいスーツを着た男が、わたしに聴いた。わたしは黙っていた。ジロムが、なにも答えてはいけない!と教えてくれたから・・・。
「スパイ容疑で逮捕する!」
わたし、その言葉を聴いて、卒倒しそうになった。頭が真っ白になって、血の気が引くって、このことです。目隠しされ、布で口を封じられ、猿轡をされ、自動車に乗せられて、わたしは連行されていきました。

取調べ室。わたしは顔写真を撮られました。丸い椅子に座らされ、取調官がわたしを尋問します。わたしはただただ俯いて黙っておりました。どのくらい時間が経ったのかわかりません。取調官は、立会い人に指示してわたしを立たせ、壁際のカーテンの前に連れていきました。カーテンが開かれ、わたしは生唾を飲む気持ち、ハッと思った。そうして心がキリリと、尖った棒で突つかれた。声は聴こえないけれど、若い女のヒトが裸にされ、手を後ろで括られ、膝に棒をあてがわれて広げられたまま、棒ごと天井から吊り下げられて、泣き叫んでいる。わたしは恐怖に晒された。カーテンは数秒で閉じられたように思う。わたしはクラクラと目眩がしていました。

     

取調べのあいだ、わたしは何も答えませんでした。それよりもジロムのことが気がかりでした。わたしがイッテしまって、気をうしなってしまい、それっきりです。取調べ中も、わたしは冷静さを失っていました。心が裂けるほどに、ジロムのことが心配でたまりませんでした。
「何も喋らないとは、したたかだな!こいつを連れて行け!」
取調官は、制服を着た男に、わたしを連れて行くように云った。わたしは裸にされ、全身写真を撮られ、薄い布を一枚持たされて、鉄格子のある部屋へ入れられました。

緊張していたせいか、寒くはありませんでした。裸にされたわたしの持ち物は、木綿の生成りシーツ一枚です。わたしは布をからだに巻きつけて、座っておりました。しばらくして・・・何時間が経ったのかわかりません・・・わたしは別の部屋へ連れていかれました。殺風景な部屋、煉瓦が地肌のままの部屋、木製の丸椅子があり、背丈ほどの棒が何本か煉瓦の壁に立ててあり、革紐の束が置かれた部屋。木製の背凭れのない丸椅子にわたしは座らされた。制服を着た男が二人、それにスーツを着た男が一人です。制服を着た男が革紐で、無抵抗なわたしの手を後ろで括りました。からだを巻いていた布は足元に落ちていました。

「アリサ、本名かね、本当はなんて名だ、どこから来たんだ・・・」
スーツの男が、わたしの正面に立って聴きます。本名だと言おうか言うまいか、わたしは迷います。
「だまってちゃ、救いようがないんだ、ええっ小娘!」
わたしの恐怖はつのり、心臓がドキドキしているのがわかります。・・・死ぬかもしれない、とわたしは思った。クリスト様を裏切ったわたしなのに、心のなかでクリスト様にお助けくださいと願うわたしでした。
「まだ黙ってるつもりかい、辱めを受けてもいいのかね・・・」
スーツ姿の男、ボスと呼ばれた男です。わたしのからだをじっと見つめたまま云うのです。制服男がわたしの括られた手首を握った。そうして別の制服男が、わたしの前に棒を持って立ちました。

     

「白状するなら恥ずかしい目に合う前にしろ、どうだ!」
ボスは、裸にされて丸椅子に座らせ、手を後ろで括られたわたしにいいます。わたしは黙ったまま俯いておりました。怖かった。恥ずかしさよりも怖さのほうが強かった。わたしは膝を閉じ合わせ俯くことで、からだを守ろうと思っていました。
「じゃ〜広げろ!」
ボスの命令で、制服の男が持っていた棒を、わたしの膝に括りつけます。手を後ろで括られて制服男に持たれていますから、からだを起こしたまま、わたしの左膝に丸棒をあてがい革紐で何重にも巻いていきました。

右膝が丸棒に添って広げられるだけ広げられ、そうして頑丈に括られてしまいました。
「いいかね、名前はアリサ、たっぷり恥ずかしさを味わうんだね!」
お尻が乗るだけの丸椅子。わたしは棒に両膝をいっぱい広げられて括られて、閉じることができない。そのうえ手は後ろで括られて、男たちの目に晒されている。ああ、ジロム、何処にいるの・・・わたしは此処にいます。会いたい!ジロム・・・。わたしは黙ったまま、ジロムの姿を思い起こしていました。
後ろから肩を持たれて、わたしはからだを立てられた。
「いい形のおっぱいだ、いじくらないともったいないね」
そんなことを云いながら、ボスがわたしの乳房を触りだしました。ぷるんぷるんと下から上へ揺すります。
「柔らかいおっぱいだ、そのうち硬くしてやるからな・・・」
わたしのからだを、ジロムではない男が触る。わたしは屈辱の気持ちに見舞われていました。

乳房と乳首がひとしきり触られ抓まれたあと、膝を渡した丸棒の真ん中に革紐が二本結ばれ、わたしのからだを丸棒に押し付つけ、革紐を脇下と肩へまわして後ろで括った。わたしの顔が丸棒に押し付けられる。膝を開かれ、からだを折られて、苦しい・・・。
「どうだ、白状する気はないのか、アリサ!」
ボスの声が上から聴こえてきた。わたしは苦痛に耐える。ジロムが何もいうなと云ったから、いえば殺されると云ったから・・・。
「アリサを台の上に寝かせろ!」
ボスの命令で制服男が二人して、持ち出してきた小さな台の上にわたしを寝かせました。括られた手が台の窪みに入れられて、背中が台に密着した。お尻が、背骨の下から持ち上げられ、膝が広げられて顔の横にまでくる格好にされてしまった。

     

男の世界はどうして女のわたしを辱めたいと思うのでしょうか。ボスは、サディストだったと思います。わたしの身も心も蹂躙してきた。わたしは女。制服の男がいったように、器量も心も多少は人並み以上に男に好かれるほうだったから、助けられたんだと思います。でも、それは男に征服されるという前提のなかでした。

「アリサとやら、お前、肌の色艶からすると、良いとこの出なんだろな、たっぷり悦ばせてやる・・・」
まな板のような台の上にのせられて、お魚を料理してやるとでもいうように、ボスは、わたしを見下ろしながらいいます。わたしは、こんな格好にされて、もう死にたい気分です。ボスは、わたしの顔を手の平で押さえつけました。そうして頬を指で挟み、力を入れてきて、口を開かせようとしてきた。
「可愛い顔の上の口からだ!さあ、開きな!」
<ああ、やめて、やめて・・・>わたしは、心のなかで叫びました。

少し口が開いたわたしへ、布切れを押し込んできた。<ああっ!>わたしは、泣き叫びたい!ボスは、布切れを丸めてお口のなかへ詰め込みながら、舌を噛み切らないようにだ!といいました。
「アリサ、お前を失神させてやるから、よ〜く楽しみにしておきな!」
ああ〜昨夜、ジロムにされたように気を失う・・・わたしは恐怖というより屈辱のなかにいた。細い革紐が歯を割って、頭の後ろで括られた。

首筋から鳩尾、そうしてお臍から毛の下まで、ボスは身動きとれないわたしのからだを指でなぞっていきます。
「ぅううっ、ぅううっ、うう・・・」
わたしは目を閉じたまま、声を堪える。指先一本なのに、悪寒がするほど、わたしは敏感でした。縦に動いた指先が、横に動く。首筋、乳房の上、乳房の下、お腹、お尻、そうしてふとももに指が這ってきた。煉瓦剥きだしの部屋に言葉はなかった。わたしのくぐもった呻き声だけが、満ちていきました。

     

「上をつけてやりな!」
わたしのからだに指を這わせているボスが、制服男にいいました。制服男は両端にクリップのついた革紐を持っていました。わたしは、お口に詰められた布切れで息苦しくてしかたがありません。制服男が、木製の小さなクリップを、わたしの右乳首に挟みました。<痛い!>わたしには神経がある。痛みを感じる神経があります。右乳首を挟んだ革紐を、膝を括りつけている棒に通して、左乳首を挟んだのです。そうしておいて、棒に通した革紐に小枝を差込んで回しながら、乳首を挟んだ革紐を絞り上げていくのです。ああ、ああっ、わたしは叫びます。男たちには、お口を塞がれて声にはならない呻きが聴こえるのだと思います。

膝を広げて括った棒が、わたしのお乳の真上にありましたから、何回か小枝がまわされ革紐が絞られて、乳首が引っ張られて、お乳が円錐の形になり、乳首だけがつまみ上げられてしまった。そうして小枝が、わたしの首後ろへ引き上げた革紐にくぐらせて固定されてしまった。
<ああ、痛い、ああ、痛い・・・>
鈍い痛みが、乳首のまわりに感じます。ボスは無言のまま、木製のクリップにつままれたわたしの二つの乳首を、指で挟んで、揉みだしたのです。
<ぁああ、やめて、ぁああ〜やめて・・・>
わたしは、どしんとした痛みのなかで、ピリピリと刺激を刺しこまれて、叫んでいました。

「苦しいか、アリサ、下が濡れてくるまで、揉んでやる!」
<アアっ、アアっ、ぁアア、ぁっ、アアア・・・・・・・>
わたしは目を瞑ったまま、揉まれ爪をたてられて刺しこまれる刺激に、身動きできないからだ中でこらえ、耐えていました。
「小娘、泣きたけりゃ泣けよ、お前が急所を弄られて、悦び泣く姿が見たいんだぜ!」
「ぅううっ、ぅううっ、ぅうう、ううう・・・」
わたしは身をよじろうとしますが、動かすことができなくて、後ろで括られた手指と広げられた足の指をぎゅ〜っと締めることしかできない。わたしには、もう、見られて恥らう気持ちとか、恐怖を感じる気持ちとか、すでに失っていたと思います。

     

「下を広げてやれ!」
ボスの命令で制服男が、革紐のつけられたおおきなクリップで、真上をむいた下唇を別々にはさんでいきました。わたしはもう、下唇を根元からはさまれても、痛みは感じませんでした。きつく括られた全身が痺れて、痛みの感覚も麻痺しだしていたのだと思います。
「小娘、恥ずかしか、どうだ!」
ボスの声が遠くのほうから聴こえるように思います。
「ぅううっ、ぅううっ、ううっううぅ・・・」
<恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしいょォ・・・>
心の中で叫んでる。わたしは恥ずかしい。

クリップの革紐が、ふとももに巻きつけて括られる。右のふとももに括られ、左のふとももに括られて、唇を横いっぱいに広げていきます。
<ああっ、お母さま・・・お母さま・・・>
わたしは、男たちの無残なやりかたに、悲しくって苦しくって心が泣いていきました。目を瞑っていると、お母さまが微笑んでいらっしゃるのが見えた。お母さまがお庭の木陰から、わたしを見ていらっしゃる。

「開いたなっ小娘、ひろげてやったぞ小娘、ええっ恥かしいか!」
ボスは、秘密の唇をクリップで挟んで、左右いっぱいに広げておいて、わたしの鼻をつまんで振りながらいいます。
「穴を濡らせ、ユックリでいい、穴を濡らせろ、そしたら次のご褒美だ!」
わたしは、苦しさと悲しさで涙をあふれさせ、目尻からこぼれ落としていきました。ボスは、お口を布切れで塞ぎ、秘密の唇をクリップで開き、女のわたしへ、心の底から屈辱を受けさせるのです。ボスたちのやりかたは、女のわたしには残酷です。からだには傷をつけないけれど、心に深い傷をつける。

クリップではさんだ秘密の唇の、そとがわを撫ぜられ、押さえられ、皮膚を内側へ、両側からきつく押し込まれ、チツのなかの襞を擦り合わせられて、からだの芯へ刺激を注ぎ込む。ボスは、括られて身動きのとれないわたしを、指先で蹂躙していくのです。
「白状しろ、オレの面子を汚すなっ、白状しろ!」
ボスは、お乳の先をつまんだクリップを引っ張りながら、秘密の唇からチツのなかを攻め立てる。ボスのなれた手つきで、わたしのからだは、痛みではない、苦痛ではない、痛みと苦痛と快感を、ドクドクとからだの芯へ送り込んでくるのです。
「ぅうっ、ぅううっ、ぅうううっ、ううううっ・・・」
わたしは、涙をあふれさせて、ボスの手を憎みます。ああっ、お母さま、たすけて・・・・助けてください!微笑んでいらっしゃったお母さまが消えておしまいになった。

     

お口を封じられていた布切れが取られました。息が詰まって苦しかったのが、す〜っととおって、少しは楽になった。とはいえ、手は後ろで括られたままだったし、膝をひろげて括った棒はそのままです。お乳の先のクリップも、恥唇のクリップもそのままです。
「小娘、白状する気になったか!白状すれば泣くこともないんだぞ・・・!」
ボスは、わたしの顔を覗き込み、優しげな声でいいました。
「ぅううん、ぅううん・・・」
わたしの目尻から伝った涙を手で拭ってくれました。わたしは、白状するにもなにも、身に覚えのないことです。顔を覗き込むボスに、わたしは顔を横にふりました。

「アリサ、何処から来たんだ・・・正直に言ってごらん・・・」
わたしは、パスポートを持たない不法入国者です。言ったら殺される!ジロムがそのように言っていたから、いえない。
「そうかい、そうかい、じゃ〜お楽しみだな!」
ボスは、制服男の方へ顔を向け、無言で合図をしたようでした。制服男が持ってきたのは、ゴム色の棒、ジロムのペニスより太くて長くて・・・。
「ケイケンないとはいうまいな、男と一緒だったんだから・・・」
<ぁあっ、ジロムのこと知ってる・・・>
「ジロム・・・・ジロム・・・」
わたしは、ジロムの顔を浮かべ、その名を呟いた。
「・・・ジ、ロ、ム、ジロムというのか、一緒にいた男!」
ボスは、手柄をたてたとでもいうように、微笑んだ。

「アリサ、みんな喋ってしまうんだな、男のことも自分のことも・・・」
ボスは、ゴム棒を、わたしのクリップで広げられたチツにあてがいながら、云った。
<ああ、だめ、だめ、だめっ!>
「アリサ、お前、もう濡れて、すっぽり入るだろうよ、入れるぞ!」
「ぅううっ、ぅううっ、ぁああっ、やめて!」
ボスは、容赦なく、入り口が開かれたチツへ、ゴム棒をぐさりと挿しこんだ。
「ああ、ああっ、だめ、だめっ、やめてっ・・・!」
後ろ手に括られ、膝を棒に括られ、広げたお股を真上に向かせられているわたし。台の上で赤子がおむつを替えてもらうような格好で、恥ずかしい処へ、ゴム棒が突き立てられたのです。

     

うわぁああ、ぐうっううっ、わたしだめよォ、いってしまうぅ・・・ボスにゴム棒を刺し入れられて、ほんとにそのように思った。
「小娘、屈辱かい?!うれしくって泣くんかね、うれしいって・・・」
わたしは涙を溢れさせていた。悲しくって、恥ずかしくって、どうしょうもなくて、涙をぽろぽろ流れ落としていました。おからだの自由がきかない。頭と顔は動かすことができる。でも、からだのすべては動かないように括られている。挿し込まれたゴム棒が引き抜かれた。濡れてしまったゴム棒を、ボスはわたしに見せつける。

「小娘、これをみろ、ほうれ濡れてべとべとだぞ・・・」
わたしは見せられたあと、頬をゴム棒でぺたぺたと叩かれた。
「ぅううっ、ううっ、うう・・・」
声を出そうと思えば出せるようにされていたけれど、呻く声だけで、わたしは黙るしかなかった。
「まあ、白状しなくてもよい、好きなようにすればよい!」
ボスは、身動き取れないようにしたわたしを、なぶって泣かせて喜んでいる。
「ううっ、ふううっ・・・」
ゴム棒をクリップで開かれたチツへ、二度目が挿しこめられていく。ゆっくり、ゆっくり、ボスは、わたしのチツヘ、太くて硬いゴム棒をゆっくりと埋めていく。少し入れては少し抜き、もう少し入れては少し抜き、チツの入り口を指で広げながら、ゆっくりと少しずつ、奥まで挿しいれてくるのです。

わたしはアリサ、アリサです。正真正銘アリサという名前です。宿帳にジロムは偽名を使ったけれど、わたしはアリサです。わたしはいったい何者なんでしょう。取調べを受けるわたし。なぜわたしが拘束されるの?わたしは、ここではモノでしかない。
「さあ、小娘、呻け、喘げ、悦べ!」
ボスは、わたしをゆっくりと、もてあそんでいる。わたしはチツの襞をこすられて、しだいに呻く声をだし、喘ぎ、悦びというにはあまりに悲しい喜悦に入っていかされる。
「ぅうう、ぅうう、ぐぅうっ、ぅううう・・・」
「ほうれ、奥まで届いたぞ!嬉しいか?!」
ボスは、握ったゴム棒で、前後左右に円を描く。わたしのからだの芯へ、ズキズキと、刺激を送り込んでくる。
「ぅううっ、ぐぅううっ、ぅうっうぅっ・・・」
わたしは半ば朦朧とする。大きく呻きあげると、ゴム棒が引き抜かれるのです。

     

膝を広げられて棒に括られたまま、からだを折り曲げられたわたしに、ゴム棒が挿しこまれる。屈曲した襞穴に真直ぐなゴム棒が挿しこまれる。ゴム棒は柔軟に曲がるとはいえ、わたしを強く圧迫します。痛くはないけれど、拘束されて挿しこまれるゴム棒です。その威力というのは、女のわたしを責めるお道具として、開発されたもののようでした。
「もっと欲しいか、ええっ、小娘、ひいひい泣きの戦法か、じゃあ、もっと泣け・・・!」
「ううっ、ぐうぅっ、ぐうぅぅ、ぐぁうぁうぁう!」
「ほうれ、小娘、泣け泣け、悦んで泣き叫べ・・・!」
わたしはボスにけしかけられながら、羞恥の蹂躙を受けている。

チツに立てられたゴム棒が、少し挿しこまれて引き抜かれる。半分ほど挿しこまれて引き抜かれる。最初の締まる苦痛がやわらいで、ボスが挿しこむ力も軽くなったようでした。
「ぁあっ、ああ・・・、ぁあっ、ああ・・・、あっ、あああっ〜!」
中ほどから奥へ挿しこまれて、ゴム棒が襞をほじくる感触がズキズキと伝わって、わたしは翻弄されてしまう。
「ああっ、ああっ、ぐうぅあぁ、ぁああっ、あっ・・・」
「ほら、小娘、またまた奥まで入ったぞ・・・!」
わたしは、喘ぐような呻き声をあげている。ボスはその声とピクピク痙攣するからだを見て、喜んでいるのだ。ゴム棒を挿しこみグルグルこね回し、わたしのからだを撫ぜまわして、わたしを逝かせようとしている。

ボスの執拗な責め方は、わたしをしだいに喜悦の朦朧に追い上げてきました。逝きそうになる寸前でゴム棒を引き抜き、静寂に置かれる。わたしは深呼吸をするように、息を吸い込み少し静かになる。意識が少し戻りそうになると、ふたたびゴム棒が挿しこまれぐるぐる掻きまわされる。何度も何度も繰り返されて、そうしてわたしが呻き喘いで、意識が壊れそうに朦朧となっていき、何がなんだか訳がわからなくなって、喜悦のなかで爆発する。
「小娘、最後じゃ!いけ、いけ、さあ逝け、逝け〜!」
「ぐううっ・・・ぐぅわぁああ〜ぐぅうう、わぁああ〜〜」
最後の高速ピストンで、わたしはからだを痙攣させて昇らせられた。そうして、わたしを開けたクリップがはずされ、括ったからだと棒の革紐が解かれ、膝をひろげて括った棒が、滑車から吊り下げられたのでした。

     

ゴム棒でイカされてしまって、朦朧としているときに、わたし、吊り下げられたから、痛みとか苦痛とかは、ほとんど感じませんでした。棒に括られた膝が痺れている。内臓がさがってくる感じがして、声が出なくて、わたしは呻くしかなかった。
「しばらくこのままに晒しておけ・・・この小娘をようく見てやれ」
わたしは、ボスが制服男に云っている声を聞いた。膝を棒に広げて括られたまま、手を背中で括られたまま、ボスがわたしの耳朶に針で穴をあけた。
<ああ、ジロム、ジロム、何処にいるの・・・ジロム・・・>
ボスは、逆さに吊られたわたしの、開いたチツにゴム棒を挿しこんで、煉瓦むき出しの部屋から出ていった。

制服男が二人、逆さになったわたしをみていました。なにやら囁きあっている。わたしは苦しい。意識があるようでない。ジロムの姿が見え隠れし、お母さまの姿が見え隠れし、霧の中からわたしの前に来て、霧の中に隠れてしまう。
「ううぅ・・・ぅうう・・・うっ、ぅうう・・・」
わたしの呻く声をわたしは聴いている。制服男に前と後ろから挟まれた。ひとりが背中の手首を持った。ひとりがズボンのなかからペニスを出した。吊られたわたしの口を開かせ、ペニスを挿しこんできた。
「うぐっ、ぐうぅう、ぅううぐぅうう」
制服男のペニスで、わたしの口を塞いで、グリグリと回しだし、抜き差ししながら愉しんでいった。

わたしの口で果てた制服男が、背中へまわり、別の制服男が前に来た。そうしてズボンのなかからペニスを取り出し、わたしの口のなかへ挿しこんできた。耳朶から血がぽたぽた落ちているのだと思います。わたしは感じることもなく、ただ制服男のペニスを口の中で受け留めていた。
「ぅォおっ、ううォおおっ、はあっ、はあっああっ・・・」
制服男のペニスが痙攣を起こしたかのようになって、わたしの口の中でピクピクと蠢かせて、果てた。こうしてわたしは、男たちに蹂躙されて、女であることの哀しさを味わわせられた。
「明日までだ、アリサとやら小娘、ここでは明日までだ」
制服男の一人がそういい残して、煉瓦むき出しの部屋から出ていった。

     

小さな石壁の部屋へ入れられて、わたしは、その夜を過ごしました。スープとパンが支給されました。布切れ一枚、これがわたしの唯一の持ち物でした。尋問と称した責めに、わたしは疲れきっていました。からだの痛みとこころの痛み。何処にいるのかもわからないまま、わたしはジロムのことが心配でたまりませんでした。カールスルーエのわたしの家とわたしのお部屋が、思い出されてしかたがありませんでした。独房で、わたしは涙ぐんでいました。見知らぬ処で、わたしは、身に降りかかった不安に、さいなまれていました。

捕えられて二日目の尋問は、昨日のボスではなくて、別のボスでした。わたしの引き受け人になってくれることになる、ロビンでした。
「アリサ、何処から来たのか、それだけでもお言い・・・」
「・・・・・」
小さな木製の丸椅子に座ったわたしに、ロビンが聴きます。
「不法入国なのかそうでないのか、それが知りたいんだ」
「・・・・・」
わたしはうつむいて黙っていました。言えば昨日のような苦痛を味わうこともないかも知れない。そう思う気持ちと、言えば殺されるかも知れないという気持ちが交錯していたのです。
「しかたないね、アリサ、苦しめたくはないんだけどね・・・」
制服男が、背丈ほどの棒を、わたしの背中にあてました。もうひとりの制服男が、わたしの手を棒に括り、わたしは、手を広げて棒を背負う格好にされてしまいました。そうしてわたしは、コップに注がれた砂糖水を、何杯も飲まされていきました。

「恥かしいだろうが、アリサ、誰に頼まれてこの町へきたんだね、それを言うだけでいいんだ」
わたしは、だれに頼まれたのでもない、ジロムが好きだったから・・・。
「まあ、いい、アリサをあれに乗せろ」
わたしは、丸椅子から立たされ、別の楕円形のテーブルの上に座らされました。わたしは、手を広げたままの裸です。ちょっと高めのテーブルは、わたしの顔と男たちの顔が向き合う高さでした。わたしは、テーブルの上で、うつ伏せにされました。そうして足首を別々に革紐で括られ、その革紐を背中に渡した棒に通し、足首に戻されて、括られてしまったのです。

     

楕円の台にのせられて、足首を、広げて括った腕の棒に引き上げられて、わたしのからだが反る。足首を括った革紐が、棒の先へと広げられて、ふとももが開き、膝が広がり、足首が広がって、うつ伏せのまま大の形にされていきました。
「ああっ、苦しい、苦しい・・・!」
お腹が反り返って、何杯も飲まされた砂糖水を吐いてしまいそうです。弓なり・・・。わたしのからだは弓のようにされてしまったのです。
「これから、アリサの人体実験をおこなう、いいかね、アリサの感度測定だ・・・!」
ロビンがそのように云い、制服男がわたしにソーセージの形をした筒を見せます。筒には、穴が網の目状に空けられ、その根元に細い管があり、ガラスの小瓶が付けられていました。
「これにいっぱい溜めたら、今日の尋問は終わりだ、わかったかね!」

制服男が弓なりになったわたしのヴァギナに、筒を挿し入れだします。わたしにその光景は見えませんが、感触でわかります。秘唇を開かれ、チツに筒を埋め込んでいます。
「ぁああっ、やめて、ああっ、きついデス、オネガイ、やめて・・・」
わたしはからだを反り返らせたまま、声を出していました。何度も小刻みに出し入れされて、だんだんと奥へと埋め込んできました。そうしてソーセージのような筒を奥まで呑み込まされて、根元だけがチツからはみ出ていたんだと思います。ゴム紐が腰に巻かれ、前から降ろして筒の根元を括り、そうしてお尻をとおして腰に括られる。筒がチツに固定されたのです。

「これで装着はおわった、あとはアリサ次第だ、早く終えたければ、精出して小瓶をいっぱいにするんだな・・・」
ああ、わたしを辱めの拷問にかけるんだ・・・おぼろげにそのように思いましたが、反り返った苦痛に、わたしの心は喘いでいました。楕円の台の上で、わたしの体が90度回され、お腹が台にのるだけにされた。胸が台からはみ出し、お尻が台からはみ出して、男たちは、わたしを弄りやすい格好にしていったのです。
「じゃあ始める、棒を引き上げろ」
ロビンの指示で、制服男が首後ろの棒をぐいっと引き上げた。わたしは反り返り、お臍から上を、前へ突き出す格好になりました。

     

反り返りお臍から上を前へ突き出す格好になったまま、背中の紐が滑車に通されて、わたしは身動きできないようにされてしまった。
「ぁああ、やめてください!おろしてください!」
わたしは泣き叫ぶような声を上げていました。
「泣き叫ぶがいい、ふふっ、すぐよろこび泣きになるさ!」
ロビンが手に持ったのは、大きな羽根でした。
「いいかいアリサ、最初はこの羽根だ、わかるか、これの威力が・・・」
わたしは、知っています。羽根の縁で肌を撫ぜられて、鳥肌がたつほどのたうつ体を知っています。わたしは身動きできない。恐怖から逃げたい気持ちでいっぱいになりました。ああ、逃れることができない。男たちのいいなりだ。

首筋を撫ぜられました。腕を横いっぱいに広げて棒に括られた、わたしの首筋が、羽根の縁で撫ぜられた。
「ああっ、やめて、ぁああっ、こそばい・・・」
肩からみぞおちへ撫ぜられて、お乳のまわりを撫ぜてくるのです。ゆっくりと、じわじわと、羽根縁が肌に触れる。
「ああ〜ああ〜こそばい、ぁああ〜」
「ふふ、これからじゃないか、アリサ、もうそんなお声を上げてるのかい・・・」
羽根の先が背中へまわり、お尻を撫ぜて、広げた太腿の内側を撫ぜていきます。
「ああっ、ああっ、あああっ・・・」
わたしは身をこごめ、お尻にぐっと力を込めています。ああ、からだに力が伝わらない、足を広げて反りかえったわたしは、お腹に力が伝わるだけです。

「吸ってやれ!」
ロビンの言葉に、制服男が無表情で従います。わたしの前に椅子を置き、そこに座って、顔をわたしの胸に押し当ててきました。乳首のまわりが舌先で舐められ、乳首が唇で咬まれた。
「あああ・・・だめ、やめて、ああ〜やめて・・・!」
顔だけが自由に動くわたしです。わたしは顔を振りふり、叫んでいました。制服男は、巧みにわたしの急所を攻めてきます。乳首まわりを舌先で突つき、乳首を唇にはさんで揉んで、かすかに歯を立てる・・・。そうされながら、ロビンが持った羽根が、わたしの皮膚をなぞっているのでした。
「アリサ、可愛い顔が台無しだな、だがなっ、悦び泣いて叫ぶアリサも可愛くていい顔だなっ!」

     

「ぅううっ、ぁああ、ああ〜やめてっ!やめてっ!・・・」
わたしは、お乳を吸われ、からだを羽根でくすぐられて、もう苦痛のような痺れるような感覚で、呻き叫んでいました。腕を真横に広げられ、膝をおもいきり広げられ、足首が腕の方へ引き上げられている。膝だけがテーブルに着いて、斜め前に倒れる格好で、吊られている。それにチツに押し込まれた棒が、グジュグジュと動き回るような刺激で、わたしはしだいに訳がわからなくなってきます。
「ほら、ほら、アリサ、いい声だ!もっと呻け、もっと啼け・・・」
ロビンが羽根で首筋を撫ぜながら、そのように云ってるのが聴こえる。
「ああ、あっ、ゆるして、許してください・・・!」
制服男が、わたしのチツに詰め込んだ棒を引き抜き出して、手を離します。腰からゴムで結わえられた棒が、ジクジクと突き刺さってきます。乳首を揉まれて、チツに棒を出し入れられて、わたし、もう気を失っていくような処へ導かれています。

「ううっ、ううっ、ううううっ・・・!」
「いい顔だ、いい身体だ、なあ、アリサ・・・」
「うう、ぐぅううっ、あっ、ぁああ、はぁあっ、ああ・・・!」
「おお、半分だね、半分溜まったね、あと半分だ、もっと汁を出せ、出せっ!」
ロビンが、手を広げて括った棒の一方をもって、棒を押しあげる。いっしょに片膝がテーブルから離れる。片膝だけテーブルに着けて、わたしのからだがよじられる。
「ほら、ここ、此処、この穴をもっとよじってやる、さあ、お汁を汲みだせ、もっと汲みだせ、アリサ!」
「ぅううあっ、ゆるして・・・ゆるして・・・うぁあっ・・・」
わたしは男たちの前で、裸のままで身動きできないようにされて、弄られ続けていくのでした。

わたしはガラス小瓶に、恥ずかしい体液を採取されながら、お小水を漏らしていった。朝から砂糖水をがぶがぶ飲まされて、からだをいたぶられる責め苦が加えられて、失禁してしまったのです。そこまでは覚えています。意識も朦朧としていましたが、男たちが、小便だ小便だ、アリサの小便だ!と云っている声が聴こえていました。足首の革紐が解かれて、チツをなぶっていた棒が外されて、わたしの手腕の棒も外されて、木製のベッドに寝かされていきました。

     

どれくらいの時間が経ったのかわかりません。意識がはっきりと戻ってきて、裸のままでベッドに寝ている自分に気がつきました。わたしは地獄に落ちていくような気分になりました。そのうち、涙がぽろぽろとこぼれてきました。悲しい涙でなかった。哀れな気持ちの涙でもなかった。ジロムの姿が想い起こされ、お母さまの姿が想い起こされ、楽しかった日のわたしが想い起こされて、涙があふれてきたのでした。
「アリサ、気がついたか・・・泣いているのか・・・そりゃそうだね、上品な顔したアリサだ、わたしはキミの味方だよ・・・」
ロビンが、ベッドのそばに立っていました。
「キミが無垢の娘だとは察しがつく、だが嫌疑は晴らさないとここから出られないんだよ・・・」
先にわたしを責め立てたロビンからは想像できない優しさで、わたしを諭すように云います。

わたしは、ロビンが、わたしの身を案じてくれてるのだと、錯覚してしまいました。制服男はもう居なくてロビンだけです。わたしは、無実を訴えようと思った。
「わたしは何も知らない・・・信じてください、何も知りません・・・」
「ああ、信じてあげるとも、キミは素直な娘だと察する・・・」
ロビンは、そのように云いながら、わたしにスープを飲むよう勧めてくれます。わたしは、ベッドに起き上がり、スープをいただき、少し気分が晴れてきたような気持ちになりました。ベッド脇の窓が開かれました。まばゆい光が差し込んできた。
「外を見てもいいよ、いい風景だぞ!」
ロビンの言葉に、わたしは裸のままでしたが、窓の外を見ました。大きな川が流れています。川の向うに町があり、その向うになだらかな山がみえます。ドナウです。わたしの家のそばにもドナウが流れていた。

ロビンがわたしを抱きにかかってきた。そのとき、わたしは、一瞬、恐怖の戦慄を覚えました。でも、なぜか抵抗しようとは思いませんでした。ロビンが、わたしのからだを求めてきたのです。わたしは疲れきっていたのだと思います。投げやりな気持ちになっていた。
「可愛い娘だ、安心しなさい、数日間耐えれば、解放される・・・」
ロビンはわたしに、わたしを安心させる言葉を紡ぎながら、わたしを胸元に抱き寄せたのでした。

     

ロビンの体型はジロムに似ていました。背が高くて細身で・・・だから、悪い人じゃない、と感じました。囚われてまったく孤独な恐怖のなかで、ロビンを信じようと思いました。娼婦館のリーザが小官吏を信じたように、わたしはロビンを信じようと思いました。
「さあ、アリサ、解放されるんだから元気をお出し・・・」
そのように云いながら、ロビンはズボンを脱ぎ、わたしを膝に跨がる格好にしていきました。わたしは、言い知れぬ絶望から、一条の希望を与えられたような気持ちでした。責め苦でぐったり疲れていたけれど、わたしはロビンの膝を跨いで、ロビンを受け入れていきます。

ロビンは、わたしを膝の上に置いたまま、わたしを反り返らせて、乳首を吸ってきました。乳首を吸い、舌で舐め、からだを愛撫しているうちに、ロビンの持ち物がむくむくと硬くなってきて、わたしの恥ずかしい処に挿しこまれてきました。
「アリサ、キミは美しい・・・いくつだい?」
「ああっ、はたち・・・」
「どうして家をでてきたんだ?」
「はぁあ、べつに・・・」
ロビンは、わたしのからだを求めながら、尋問をしているんです。わたしは、気がつきませんでした。ロビンの親切さだと思っていました。
「よそから来たんだろ・・・」
「ぅうん・・・ああ、ああっ・・・」
わたしは、ロビンの膝のうえで、安心しきったかのように、からだの安息をおぼえだしていました。

ああっ、ジロム、ジロム・・・!わたしはロビンに抱かれながら、頭の中はジロムのことでいっぱいでした。
「アリサ、もっと腰を揺すっておくれ・・・」
「ああん、ああん、ひぃ、いい・・・」
座ったまま抱き合っていたロビンは、わたしをベッドに寝かせ、上からかぶさってきました。そうしてわたしを抱きしめ、腰だけをグリグリと動かしたり、硬いペニスを抜いたり挿したりしていました。わたしは少しずつ感じ出してきて、しだいに朦朧のなか、感じいい気持になっていきました。

     

ロビンのやり方は、ジロムとは少し違います。余裕があるとでもいうのでしょうか。わたしを抱いて、ペニスを抜き差ししながら、いろいろと喋ってくるのです。
「アリサは、いいとこの子なんだろ?!」
わたしのことを詮索している、そういう思いまでは浮かびましたが、それ以上のことは、抱かれて挿入されていて、おからだが反応していて、もうわけがわからない状態でした。
「ああん、ああん、はああん・・・」
わたしは、そのような声をあげているだけでした。
「いいものを持ってる、いい家柄なんだろ」
「ああん、ゆるしてください、ああぁん・・・」
わたしは家を出るときに、金とか宝石とかを持ち出してきたんです。それらが押収されて、ロビンが推測しているんです。

「女は、こうして、ほれ、いいだろ!」
ロビンは、感じてきたわたしのからだを、上手に操っていきます。挿しこんだペニスのまわりへ、柔らかく刺激を与えてきます。
「ぁああ、だめですぅ、ああ、はぁあん、だめ・・・」
先の豆を剥いて、そっと撫ぜる。恥唇の入り口を指でなぶりながら、大きな棒を奥まで挿しこんでくる。わたしは、恥かしいことをされながら、気持ちよくなっていく。
「アリサに惚れそうだ、好きになりそうだよ」
「ああ、だめですぅ、わたしをかいほう、してください・・・」
「なあ、もっと声をだしてもいいんだよ、外には聴こえないから・・・」
ロビンは、慣れた手つきで、わたしのからだをお料理していく。
「安心しろ、アリサは解放される、オレが手続きしてやる、だから安心しな・・・!」
わたしは、ロビンの言葉に、本当にすがる思いでした。

わたしのからだは、さんざん痛めつけられていて、逆に敏感になっていたのだと思います。ロビンのテクニックで、だんだんとアクメの途中を喘ぎ悶えていました。ロビンは、わたしを括るのでもなく、自由に動くわたしを、からだで押さえつけるでもなく、快感に開いてくれるのでした。
「ほれ、可愛いね、ほれ、綺麗だね、ほれほれ、どうだい・・・」
「ああん、ああん、はぁああん・・・」
「もっとからだを広げて、いい気持ちをいっぱい吸い込むんだ!」
「ぁああん、はぁあん、ハア、ハアン・・・」
「いくぞ、いくぞ!」
ロビンが抜き差しのスピードを上げてきて、わたしはぐぐぐっっと快感の頂上へ昇っていきます。
「ああああっ、ああっ、ああっ、ああっ、ううっ・・・・!」
わたしは目を瞑り、ジロムの顔を思い浮かべながら、アクメへ昇華していきました。わたしがアクメを迎えたあとも、ロビンはまだ続けていく余裕がありました。

     

何もない狭い独房にひとり留め置かれて、わたしはジロムのことばかりを思っていました。突然に引き裂かれてしまったわたしたち。突然、目の前から消えてしまったジロム。わたしの心は、張り裂けんがばかりに、不安定な悲しさの器のなかにありました。布切れを肩からからだに巻いて、わたしは薄暗い独房に、座り込んでおりました。
<アリサは解放される・・・>
ロビンの云った言葉が、わたしを死の恐怖から救ってくれました。生きる希望・・・明日を生きる希望。

翌日、わたしは別の場所へ移されました。目隠しされて自動車に乗せられ、到着して目隠しがとられた。収容所?それとも取り調べ所?石造りの壁に囲まれた部屋に座らされ、係官が書類を見ながら、わたしに確認しています。
「アリサ、国籍不明、自白なし、スパイ容疑・・・」
わたしは書類を読み上げる係官の声をきいて、卒倒しそうなほど不安になった。ロビンの言葉を思い出します。解放される・・・ロビンが言ったことばを信じたいと思った。
「アリサ、ここでは一週間の拘束だ。その後のことはキミの供述次第だ、身柄引受人が現れるように・・・」
そのように云われて、わたしはここでも裸にされて写真を撮られました。

布切れ一枚まとって、係官に連れられて、石張りの廊下を歩かされていたとき、係官に連れられた女性とすれ違いました。やはり布切れ一枚身にまとい、蒼白な顔色でうなだれて歩いていました。
「あの女も強情で、始末に負えんのだ、まだ引き受けてがないから、島送りだな・・・」
係官は、歩きながらわたしにそんなことを聞かせてきました。
「でもな、ここはね、その気になりゃ、天国かも知れない、よろこんで嬉し泣きするかも知れないぜ・・・」
係官は、初老の気のやさしそうな感じのヒトでした。裸に近いわたしの姿を横目で見ながら、そのように云うのでした。

     

取調室といっても、ここの部屋は殺風景で冷たい感じはありません。ベッドもソファーも、気持ちよさそうな感じです。昨日までの様子と全然ちがいます。初老の係官が、天国かも知れない、といった言葉が、真実のような感じをうけました。布切れを取り上げられて、わたしはその部屋に入れられました。裸です。そうこうしているうちに二人の若い男のヒトが部屋に入ってきました。逞しい身体つき、スポーツ選手のような身体つき・・・。ひとりがイチゴウ、もうひとりがニゴウだと名乗りました。わたしの担当だというのです。

「アリサっていうんだね、お利口にしておれば、殴ったり蹴ったりの手荒なことはしないから、云うことを素直に聴くんだよ・・・」
イチゴウがわたしの顔を見ながら、云いました。
「アリサがスパイであるかどうかは、その身体が教えてくれるってもんだ、判断はオレたちがする・・・」
わたしはもう観念しております。なにが起こっても言いなりになろうと思っています。一週間我慢すれば解放される・・・そう信じています。
「決して悪気を起こさないように、逃げたりすると射殺だ、わかったね」
ああ、わたしはやはり恐怖に晒される。この男たちの言いなりにならされる。

裸のままのわたしは、点検だといって、イチゴウとニゴウに立ったままサンドイッチにされて、からだ全身を触られだしました。
「可愛い顔だね、白い肌してる、柔らかい、感じやすいタイプの子だろうね・・・」
「やりがいがありますね、こういう子だと・・・」
「今回はいい玉に巡りあった、ってことだなニゴウ・・・」
二人の男が、わたしの肌を撫ぜ触りながら、会話している。一巡触り終えられて、わたしに飲み物を与えてくれました。甘い果物ジュース、栄養剤だといいました。それと、ここで与えられる食べ物は、すべて流動物だといいました。わたしは、神に祈ります。家を出るときには、神を棄てようと考えたけれど、わたしは棄てられない。


アリサの手記
第二章終わり


































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































小説

アリサの手記-2-





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