御所の大きな木の下で、健一さんに抱かれ、健一さんのお股の棒を握ったまま、わたしはお乳とお股を直接手で触られていきます。わたしのびっくりの気持ちは、健一さんのお股棒のことです。暖かくて硬いような柔らかいような、初めての感触でした。男と女、わたしたち男と女の恋人どうし。わたしは暗い木陰で、秘密の時間を過ごしています。クリムトの接吻。わたしの好きな作品だけど、あんな格好で、わたしは健一さんに抱かれている。
「はぁあん、健一さん、ああ、ああん、健一さん・・・」
わたし、きっとそんなこと呟きながら、ぼ〜っとして健一さんに可愛がられていた。健一さんは、わたしのお乳に唇をつけてきた。ちょっとしゃがみ込んで、ブラウスのボタンを外し、ブラのホックを外し、胸をひろげさせて、わたしのお乳をグルグルとまわすようにして、乳首を唇ではさんできたんです。わたしの手から、お股棒が離れ、わたしは立ったまま、くらくらと倒れてしまいそうになりました。
そのうち、健一さんは、ふともものところで留まっていたストッキングとパンティを、足首まで下ろし、片方の靴を脱がせ、足首から抜き去ってしまったのです。そうしてわたしに、足をひろげさせたのです。
「裕子、じっとしてるんだよ、動いちゃだめだよ」
わたしにスカートの裾を持たせ、めくりあげる格好にして、健一さん、わたしのお股に顔を埋めてきたんです。わたし、えっちされている。わたし、暗がりでえっちされている。淫らな裕子、ああ、わたし、健一さんに暗がりでえっちなことをされている。わたしは、ズキズキと感じながら、えたいのしれない怖いものが、わたしを包み込んでいくような気持ちになっていました。
わたし、健一さんにお股の恥ずかしいところに唇をつけられて、もう目の前クラクラしていました。ああん、恥ずかしい・・・。御所の木陰で、こんなこと、健一さん、だめ、だめよ・・・。
「裕子、いいだろ、いいんだろ」
健一さんは、わたしを見上げ、うわずったような小さな声で、わたしに言います。
「ああん、あかん、あかん、だめ・・・」
わたし、どうしたらいいのか、分らなかった。冷静さなんてなかった。健一さん、わたしを抱き、芝生の上に寝かせた。露出した足にチクチクと芝の先があたって痛い。
健一さんは、わたしを寝かせたまま、立ってズボンを下ろしてから、わたしに乗りかかってきました。わたし、足をきゅっと締めていた。
「裕子、いいだろ、いいんだろ」
「ああ、あかん、こんなとこで、あかん・・・」
健一さん、わたしの膝をひろげてきた。わたし、膝に力を込めてひろげないようにする。わたし、抵抗していたんです。無意識です。気持ちが動転していた。
「裕子、足の力を抜けよ」
健一さんの声に、わたしは、膝の力を抜いてしまいました。わたしの膝をひろげ、わたしにのしかかってきて、お股棒をわたしのお股にあててきた。
「ああっ、いた、いたい、いたいっ!」
わたし、処女を失う痛み、張り裂けるような痛みが襲ってきたんです。
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わたしは覚悟していました。健一さんに処女をあげる。わたしはそう思っていたのに、膝を広げられ、股棒が挿しこまれてきて、動転してしまって、抵抗した。それに痛みばっかりでした。それにわたし、もうわけが分らなくなって、怖くなっていました。でもわたし、御所の芝生のうえで、健一さんと結ばれているんだ。
「裕子、ちょっとの辛抱や、堪えて!」
わたしがいたい、痛いって何度も言ったからでしょうか、健一さんは、手でわたしの口を塞ぎ、お尻に手をまわして持ち上げ、わたしのチツを裂く股棒を奥まで挿し込んで、ぐりぐり回すのでした。わたし、強姦されてる感じで、ほんとに怖かったんです。
「ああっ、裕子、いくぞ!」
健一さん、いつもとは違う、荒々しい別人のような感じで、わたしを食いちぎろうとしている。わたし、半分泣いていました。やめて、やめてっていいながら、健一さんを受け入れているのです。健一さん、ピクンピクンと股棒をけいれんさせて、わたしのチツのなかで精液を出していったのです。
わたし、初めてセクスをしたんです。終わったあと、健一さんは、ティッシュを指に巻いて、チツのなかの健一さんの精液を、拭ってくれました。わたし、泣いていました。うれしいというより、底知れない悲しさ、淋しさの気持ちでした。暗い木陰でパンティを穿きくのを手伝ってくれたけれど、わたしの処女を、こんな場所で捧げたことへの哀しみだったと思います。
「裕子、ごめんな、どうしようもなかったんだ」
「ううん、いいんよ、いいの、わたし・・・」
「嫌いになった?」
「ううん、そうじゃない、そんなんじゃない・・・」
わたし、健一さんと結ばれたことを後悔しているんじゃない。
暗い芝生の木陰から砂利道にでて、健一さんがすたすたと歩き出した。わたしは、あとを追いかけるようにして、後ろについて歩きました。わたし、健一さんと結ばれて、もっと抱き合っていたい。わたしの悲しい気持ちを、暖かくだいて消してほしい。わたしは、健一さんの気持ちがわからない。わたしとセクスして、わたし、こんなに淋しい気持ちになるなんて思わなかった。
「健一さん、もっとゆっくり歩いて・・・」
わたしは、健一さんの後ろ姿をみながら、そう呟いた。
御所の門を出たところで、わたしたちは別れました。もう八時をとうに過ぎていて、家の門限に間に合わないかもしれないと思いながら、わたしたちは握手もしないで別れました。
<どうしょ、どうしょ、ママに知られるんとちゃうやろか・・・>
わたし、明るいお店の前でバスを待ちながら、体験したことを想い浮かべながら、恥ずかしいような、悲しいような気分になっていました。それより、健一さんの、終わったあとの感じが気になってしょうがなかった。
<もう健一さんと会えへんかも知れへん>
そんな感じがこみ上げてきて、わたし、どうしたらいいのか、早くママに会いたいような会いたくないようなことを思った。
それから、里奈が妊娠したっかも知れへんといったことが心配になった。
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わたしのお部屋は、洋間八畳です。古い町家なんですけれど、部分的に洋館になっていて、出窓からお庭が見える。紫色した牡丹の花が咲き出して、5月の風がレースのカーテンを揺らしている。わたし、健一さんとはあれから会っていないんです。夜の御所の芝生のうえで、処女を失ってから、健一さんからメールが来ていない。わたしの心は、健一さんのことばかりを考えてる。男はみんな狼なんだから、裕子だまされちゃだめよ!高校生のころ、ママからそう言われたことを思い出しながら、わたしは健一さんが狼なのかどうか知りたいと思っています。
今日は、午後からの講義だから、午前中はお部屋にいます。ドアをロックし、窓からお庭をぼんやりして見ているわたし。健一さん!わたしはもうあなたのものよ、わたし、後悔なんてしてないわ、結婚なんて考えられないけど、お嫁さんになるのかも知れないですね・・・。わたし、スカートのなかに手を入れてる。お勉強机の前に座って、精神学講義の教科書をひろげて、こっそり左手をスカートの中に入れて、パンティのお股の縁から、お指を入れている。
<ああ、健一さん、ここ、ここよ、健一さん、痛かったんよ・・・>
わたしの指、じょりじょり毛を撫ぜながら、柔らかい唇を触ってあげてる。
<わたし、もう子供じゃないんだよ、経験しちゃったのよ・・・>
恥ずかしい唇を、指で少しひろげてあげる。しっとり濡れてる。ぬるっとした感じに濡れてるのがわかる。
健一さんの股棒で突かれて、痛みしか感じなかったわたしのお股。ひとりでするときには、入り口だけしか触らないから、痛くないんですね。わたしは、こっそりパンティを脱いでしまって、椅子に座ったまま、机の上にひろげた教科書を読んでいるふりをして、ひとりえちをやりだして、ふうっとなって、ぼんやり健一さんの顔を想い出している。
<可哀想な裕子ちゃん・・・健一さんよりいいんですよね・・・>
わたし、指で恥の唇を擦ってあげながら、ふうっとなって、目の前がかすんできてる。
<ああ、いっちゃう、いっちゃう!>
わたし、中学生のころから、同じことやってる、恥の唇まわりがグジュグジュっと濡れてきて、イキそうになってきて、わたしは小さな叫び声をあげて、そうしてイってしまった。
わたし、どうしたらいいのかしら。健一さんにメールしようか、やめておこうか迷っているのです。辛いです。夜の御所の芝生で、わたしが抵抗したことで、健一さんはわたしを嫌いになったんだ。いいえ、わたしを好きなんだ。だけど、わたしにあんなことしたから、遠慮してるんだ。わたしは、健一さんのことを思いながら、心が揺れている。健一さんのホームページを開いてみた。わたしの写真が載っている。おかしなポーズを取って、お花の前で、にっこり笑ってピースしている。わたしは切ない気持ちです。健一さん、わたしにメールをください。会いたい!ってゆうメールをください、お願いします。
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あれから一週間経っても、健一さんからのメールがなかった。わたしは、終わりたくない。その思いがだんだんと強くなってきて、わたし、健一さんにメールしました。健一さんと会ったのは、翌日の夕方でした。四条大橋のドトールの二階で会いました。
「うん、ちょっとね、忙しかったんよ、それで・・・」
健一さんは、わたしより仕事優先なんだと思った。
「あれから、わたし、待ってたのに・・・」
わたしは、再び健一さんと会えて、うれしい気持ちでした。でも、うれしくない感じで接しようと思った。それからマクドでバーガーを食べ、祇園さんの方へと歩いて、繁華街から離れた道の暗がりに入り口がある、ラブホテルへいきました。
わたし、こころのなかで、ずっと健一さんに抱いて欲しいと思っていました。男と女。わたしは、一人で生活する力なんてまだなかったけれど、健一さんを求める欲求は、一人前にあった。
「裕子、ひとりで裸になれる?」
大きなベッドに占有されたルームで、わたしを抱きしめたあと、健一さんは言います。わたし、健一さんが脱がしてくれるんだと思っていたのに、自分で脱ぐんだというのです。
「うん、恥ずかしいって?だめだな、裕子、脱がして欲しいの?」
わたし、うつむいて、服を脱ぐのためらってたから、健一さんがしょがないな〜というように、わたしを抱き寄せて、セーターを脱がし、ブラウスのボタンを外して脱がし、ブラが取られ、スカートを脱がしストッキングを脱いだところで、わたしをふかふかのベッドに寝かせてくれたのです。わたしは生成りの白いパンティだけをつけていました。
ベッドのそばで、健一さんもブリフだけの姿になって、それからわたしの横に寝そべってくれました。わたしは、健一さんに抱かれていきます。初めてホテル室内で、わたしを抱いてくれている。健一さんは、わたしの片方のお乳を両手で握り、乳首を飛び出させて唇をつけてきた。わたし、まだ冷静だった。いきなりのことで、わたし、ちょっとどぎまぎしていました。唇でわたしの乳首をはさみ、引っ張り、そうして舌先で、乳首をなめだした。手からしぼりだされた乳首への、初めての刺激です。そうしながら、片手をパンティの中へ入れ、お股のなかへ入れてきて、もぐもぐとまさぐりだしてきたのです。
「裕子、ゆっくり可愛がってやるね、やりかた教えていくからね」
健一さんは、ベッドの上に座り、わたしは寝たままの格好になりました。
お乳を握って揺すり、お股を指と手の平で揉みほぐすように動かす健一さんです。
「裕子、まだ柔らかいね、お乳もお股も・・・」
「ああっ、ああん、健一さん、ああん、わたし、わたし・・・」
わたし、健一さんの二つの手で、わたしの誰にも触らせたことがない処を、揉まれているのです。まだ、気持ちいいとは思えない。わたしは、パンティを脱がされ、素っ裸にされました。健一さんもブリフを取り去り、素っ裸になった。そうしてわたしの頭を持ち、健一さんの股間へ、導かれたのです。健一さんのォ棒が、目の前に来た。むっくりと大きくなっている。健一さんは、そのォ棒を握らせ、わたしに咥えさるのでした。