悶える沙織
 -1-
 1〜7 2020.7.24〜2020.8.19

 

-1-
<浩介のワンルーム>
トトロマンションの三階A室は、四畳半と三畳の二部屋にバストイレキッチンがついた構造です。四畳半は浩介の勉強室、三畳はベッドルームです。まだ大学二年生の沙織が、バイオリンケースを持ったまま、訪れます。華奢な手指、白い手首、ノースリーブの白っぽいワンピース姿の沙織です。
「うん、だいじょうび、練習おわって、やれやれよ」
まだ午後五時前です。沙織は、角のコンビニでシュークリームを買ってきて、夜のごはんの前にこれを食べるつもり、糖分補給です。
「ありがと、食べよう、沙織、好きなんだ、甘いの」
「だって、美味しいでしょ、わたし、好きよ」
「午後の紅茶、あるから、飲もうか、まず、ね」
浩介は沙織より二年先輩の四年生、22歳です。四年になるとオーケストラ部の日常からは離れて、就活をするところですが、浩介は大学院に進むつもりでいます。夏が終わって、少し肌寒くなりかけているけれど、昼間はノースリーブのワンピースが、まだ過ごしやすい服装です。インナーもブラトップとショーツだけ、白いソックスを穿いているけど、軽装といえば軽装です。
「甘い、美味しい、うまい、シュークリーム」
直径40pの円形テーブルに置いたシュークリームと、ガラスの透明コップが二つ。浩介は勉強椅子に座っていて、沙織はテーブルを介して背凭れの椅子に座ります。浩介は、沙織を見ます。すぐ後には、着ているものを剥いてやり、裸にして、ちんぽをぶち込んでやるんだ、と思い描きながら、髪の毛が垂れないようにピンで留め、耳を露出させている清楚さに、下半身が疼いてきます。沙織だってよく似たもの、浩介のマンションルームへ来る目的は、セックスすることです。濃厚に密着して、欲求を解消して、いい気持ちをハッピーにつなげたいところです。スキンは、男の浩介が通信販売で買ってくれていて、薄い、超薄い、ピンク色のんを使ってもらって、朝までに6個入り使いきってしまいそう、沙織、バイオリニストの沙織、ピアノも弾ける音楽家の卵、大山沙織は大学二年生、二十歳です。

-2-
シュークリーム食べて午後の紅茶を半分ほど飲み終えたころ、勉強椅子に座っていた浩介が立ち上がり、沙織が座る背凭れ椅子のうしろにまわります。
「ねぇ、ねぇ、せんぱい、今日、美沙ったら、ねぇ」
美沙というのはオーケストラ部にいる沙織の友だちです。座っている後ろにまわってきた浩介を意識する沙織。話題を友だちのことにして、気をそらす沙織です。うずうず、すううっと気が抜けていく感じがして、気がつくと、浩介が左右の肩に左右の手を置いてきているのです。
「美沙が、誘ったのよ、わたしを、大阪であるコンサートに行かないかって」
肩に置かれた手の片方、右手が、右耳うしろから髪の毛をたくし上げてくるのです。浩介は、あいづちを打つ感じで、それで、と応えます。
「でも、わたし、きょうは、あかんって、こたえて、ここに来たの」
髪の毛を退けられる感触に、沙織はずきずきと寒気のような感じになり、肩をすぼめてしまいます。
「そうなの、ぼくんとこへ来るって、言ったの」
「ううん、言ってない、内緒よ、ここへ来るの、わたし、誰にも言ってないのよ」
美沙も二年生で可愛い女子です。沙織と関係してるから、美沙には手を出していないけれど、魅力ある顔立ち、ボディーも、外見からしても、むっちり、柔らかくて美味しそうな女子です。
「ああっ、せんぱいぃ、うん、ああん」
ワンピースのうしろのホックをはずされるのがわかる沙織。ホックを外され、ジッパーをおろされ、右肩を露出された沙織。浩介が、前へ手を下ろしてくる、右手だけじゃなくて左手も、ワンピースを肩から胸のところまで脱がされ、インナー、ブラトップの内側へ、手の平を入れられてしまったのです。
「あん、いやん、せんぱいぃ、ああん」
乳房のうえに置かれた浩介の手が、冷たく感じられます。そのつもりでいるのに、沙織のなかに恥ずかしさの気持ちが満ちてきます。沙織は、左右の手を胸にもってきて、浩介が揉みだした乳房のうえ、ブラトップの上から、かぶせます。浩介は、ワンピだけでなく、ブラトップの肩紐も腕におろしてきて、脱がせにくるのです。背凭れ椅子に座ったまま、上半身を裸にされてしまう沙織です。浩介は、沙織の乳房を弄ったときから、もう、ちんぽが起ってきています。

-3-
セックスするのがわくわく楽しみな沙織だから、浩介がいるトトロマンション3階A室にはいったときから、気持ちがうわずっていました。バイオリンケースは勉強机の横に立てかけてあります。シュークリームの甘さがまだお口の中に残っている感じの沙織です。背凭れ椅子に座った沙織のうしろから、浩介がおっぱいのうえに手をおろしてきて、沙織に顔を横に向かせ、キッスをしてきます。もう上半身を裸になった沙織です。おっぱいに置かれた浩介の手首に自分の手をからませ、キッスをうける沙織。
「ううっ、ふぅううっ、ふぅうう、ううぅぅっ」
浩介が舌を挿しいれてくるので、沙織は、自分の舌を絡ませます。ぬるっとした軟体の舌が絡んで、沙織はもううっとりになって、目をつむって、その感触に溺れだします。
「ううっ、うう、うう、うっ、ううっ」
肩から下ろされた浩介の手が、おっぱいにかぶせられ、揺すってきます。そんなに大きくはない沙織の華奢な乳房ですけど、ゆさゆさ揺すられると、揺れてしまいます。浩介が双方ぉ乳首を、指に挟んでつまんできます。ううっ、ああっ、沙織、感じちゃいます。ぴりぴり、ってゆうか、じんじん、ってゆうのか、鋭いような鈍いような刺激が、からだのなかに走ります。立たされる沙織。
「ううん、沙織、好きだよ、好き、好きだよ」
上半身を裸になった沙織の立ち姿の前に、浩介が立っています。浩介がシャツを脱ぎます。沙織と同じ上半身を裸にしたのです。男の子の躰です。浩介の躰はぶよぶよじゃなくて、締まっています。けっこう筋肉質で、沙織の柔らかさに比べるのもなんだけど、きっちり逞しいんです。沙織、好きです。浩介の躰、好きです、好きなんです。
「うん、ああん、いいよ、ぬがしてぇ・・・・」
暗黙の了解、沙織、小さくつぶやくように、なされるがままです。浩介が、沙織の腰上にまで下りたワンピとブラトップを、お尻を抜いて、下ろしてしまいます。白いレースのかわいいショーツ、腰を紐で結ぶタイプのパンティというかショーツです。沙織は背凭れ椅子の横に立ったまま、浩介が、ズボンを脱ぐのを、待ちます。
「ああっ、せんぱいぃ、ぬいじゃう、脱いで、パンツも脱いで・・・・」
こころで言うだけだから声にならない沙織の言葉ですが、手ブラしたまま、紐パンを穿いただけの沙織が、浩介が全裸になるのを待ちます。いつの間にか、沙織と浩介は、素っ裸で過ごすようになっています。沙織は、恥ずかしいけど、浩介は、素っ裸がいいというので、このあとは全裸、まもなく、沙織の紐パンティが脱がされてしまって、素っ裸をさらします。

-4-
浩介がいるトトロマンション3階A室は、四畳半と三畳の部屋があります。四畳半のほうが勉強室、三畳がベッド室、カーテンで仕切れるんですけど、いまは開いています。全裸になったバイオリニストの沙織です。浩介も全裸になっています。レースのカーテンを引いた窓から、昼下がりの明るいの光が部屋に入ってきます。
「じっとしてろよ、沙織」
「はぁあ、じっとしてるぅ」
手ブラをはずした全裸の沙織は、手をだらりと下ろして足を閉じた直立です。浩介にからだを見てもらうのです。恥ずかしいといったら恥ずかしいんですけど、その恥ずかしい気持ちが、なにかしら、うずうず、わくわくな感じなんです。それに目の前には男の裸、浩介の全裸を見てるから、とくにおちんぽの大きさが気になります。起ってるんですけど、萎えだして少しおじぎしてるときがあります。
「ああん、せんぱいぃ、あっ、ああっ」
浩介が唇をおっぱいに近づけてきて、右の乳首を唇に挟んでしまうのです。沙織、退けません。立ったまま、浩介の唇で、乳首を挟まれ、揉まれちゃいます。じじじじ、じじん、じゅじゅじゅじゅっ、ああ、ああん、沙織、刺激されてきて、なにか、もう、倒れそうになるけど、胸を突き出してしまいます。浩介が、沙織の左手首をにぎって、ちんぽを握るようにと、かぶせさせます。ぷちゅぷちゅ、乳首を吸う音がなくなり、浩介は、沙織にちんぽを握らせながら、左腕を沙織の背中へまわし、右手を乳房にかぶせます。そうしてキッスを求められる沙織。勃起しだしたちんぽを握り、おっぱいを弄られ、唇をかさねられて、舌を絡まされます。
「はぁああっ、ううっ、ううっ、うぐうぐっ」
立ったままでいるのが辛い気持ちになります、可憐な全裸のバイオリニスト沙織です。舌を絡ませると、気が抜けていく感じで、しゃがみたい気持ちです。唇が解かれて、沙織は、そのまま崩れて、カーペットに女座りします。浩介の腰が、ちょうど顔の高さです。勃起している浩介のちんぽです。沙織、言われるまでもなくフェラしてしまうのです。

-5-
順番は、沙織がフェラチオして、浩介がクンニして、69スタイルになってなめあったあと、本番。つまり浩介が、沙織の膣に、勃起させたちんぽを、挿入するのです。沙織が聖護院近くのトトロマンション三階A室、浩介の部屋へ来てからまだ30分も過ぎていません。午後5時過ぎです。まだ窓の外は真昼の明るさ、沙織は全裸、浩介も全裸です。
「ほら、して、して、沙織、しておくれ」
四畳半のお勉強室、机の前の椅子のまえ、足を30pほど開いて立っている浩介です。沙織はおんな座りで浩介の前です。目の前に、浩介の勃起してるちんぽです。沙織、バイオリンを奏でる華奢な手指で、そのちんぽの陰茎を、握ってしまいます。
「ああっ、せんぱいぃ、おっきい、かたい、ああっ」
椅子がお尻にあたる高さで、立っている浩介の勃起するちんぽ。陰毛が、たまたまが、沙織をゾクゾクとさせます。陰茎、その真ん中を、右手で握って、上へ持ち上げます。陰茎の裏側からたまたまが沙織の顔の前です。
「はぁああ、せんぱいぃ、ああっ」
沙織、左手は浩介の右太腿にあて、右手に握ったちんぽ陰茎の裏へ、顔を近づけ、恐る恐る舌先をたまたまと陰茎の根元に当てたのです。
「おお、ああ、沙織ぃ、おお、おおっ」
浩介が反り返り、腰をぐっと突き出してきます。沙織、握った陰茎を、握ったまま根元へ押し込みます。ぎゅっとちんぽの亀頭が、くっきりと剥かれて沙織の目の前です。沙織、唇に亀頭の先の割れ目から滲み出てきた透明のヌルヌルを、唇で拭ってあげて、そのまま、亀頭を口の中へ入れ、カリ首に唇をはめ、カリ首から剥けた陰茎のところを、唇で擦ってあげます。
「いい、ああ、おお、いい、沙織ぃ、いいっ」
沙織が、亀頭を口に入れたまま、握った陰茎の真ん中を上下に動かして、しごいてあげるのです。それからお口を開け、舌の真ん中で、亀頭を擦って、ぶちゅぶちゅ、フェラチオのスピードが速くなってきます。浩介は、沙織の頭後ろに手を当てて、腰を突き出し、お尻を落として足ひろげ、ちんぽだけが突き出る格好にして、沙織のフェラにゆだねます。
「ううっ、うぐ、うぐ、うぐっ」
沙織は、もう陶酔しているんです。じっとり、お腹のおくが疼いているのが、気持ちいい、なんとなく、フェラを終えて、クンニに移ってほしい気持ちになってきます。

-6-
浩介へのフェラチオをおえた沙織が、勉強机を背にした背凭れ椅子に座ります。四畳半の浩介の部屋です。全裸になっているふたりです。
「ああん、せんぱいぃ、ああん」
全裸の浩介が椅子に座った沙織のまえに立ちます。沙織の目の前に、浩介の勃起させたちんぽが、あります。沙織、フェラしてあげたちんぽだから、愛着いっぱいですけど、クンニしてもらいたいから、もう握ってあげません。
「沙織、してやるから、いいな」
浩介が椅子に座った沙織に膝まづく格好で、姿勢を低くします。浩介の目の前に、沙織のお腹です。陰毛が生えています。浩介は黒い陰毛の茂みを見るとゾクゾクしてきます。それから、クンニするのと同時に女の股を観察するんです。椅子に座った沙織に、太腿をひろげさせます。沙織は、膝をひろげ、太腿をひろげて、股を露出させ、浩介が見てくる視線を気にして、ちょっと羞恥心です。
「ああっ、せんぱい、ああっ」
「おしりをまえにずらして、ほら、ひざうしろに腕をまわして、あし、もちあげる」
浩介は、沙織に動作をさせながら、小さなこえですけど、ことばをかけてやります。沙織は、もう言われるがまま、背凭れにもたれて、開脚して、股の陰部をひろげるのです。五時を過ぎてもっまだ明るい外からの光が窓から入ってきます。照明なしですけど、クーラーが入っているので、物音は空気が擦れる音だけです。
「見てほしいんやろ、沙織、ここ、開いて、舐めてあげる」
浩介が、太腿の根元のうらがわに手をペタンとおいて、太腿を持ち上げるんです。その真ん中に顔を押し当てる浩介。沙織は、自分で膝をひろげて持ち上げた格好で、オーケストラ部の先輩、浩介に恥ずかしい処を、見せてしまうのです。
「あん、ああん、ううっ、ぅうっ、ううっ」
舌が陰唇を割ってくるのがわかります。ぺちゃぺちゃ、かすかに音が洩れていて、舐められる感触が沙織に伝わって、背筋を伸ばして、首を伸ばして、顔を上向かせます。
「あん、あん、せんぱいぃ、ああん」
浩介が、両手をつかって、左右親指の腹で、陰唇をめくりだし、ひろげてきます。そのめくった内側へ、舌先を這わせてくるのです。沙織の膝裏を肩にのせる浩介。沙織は、浩介の頭に手を置いて、性器を舐ってもらって、吸ってもらって、高揚させてもらうのです。自分で刺激するオナニーとは、感じが全然違うのです。
「ああああ、ああん」
沙織は、椅子からおりて、窓の方を頭にして、カーペットに横たわります。浩介も窓の方を頭にして、沙織の横に仰向き寝そべります。まだクンニしてもらっている感覚で、沙織は、浩介のお顔にまたがるのです。浩介の顔を見下ろす格好で、顔をまたいで、股の真ん中を、擦りつけるのです。浩介の手が沙織の乳房にのせられます。上半身を支えられる沙織は、お尻を前へ後ろへ、浩介の顔に股をすりつけるのです。沙織が回れ右してお尻が浩介の顔に向きます。沙織が浩介のちんぽをにぎり、上半身を寝そべらせ、握ったちんぽを咥えるのです。浩介の舌と唇が、沙織がまたいだ真ん中にあたって、クンニリンクス、刺激です。シックスナイン、69スタイル、全裸の沙織と浩介が、沙織がうえ、浩介がした、舐め舐め、ぐちゅぐちゅ、男が女の性器を、女が男の性器を、唇と舌と、それから指を使って、刺激しあうのです。本番前のことです。

-7-
大学のオーケストラ部でバイオリン奏者の沙織が、先輩でトランペット奏者の浩介のマンションへ来ているのです。目的は、セックスすることです。二十歳の沙織。男の浩介に魅力を感じて、からだを許しているところですけど、セックスは気持ちいいから、秘密、誰にも言えない秘密ですけど、バイオリンしてるより、セックスしてるほうが、好きです。
「あん、あああん、せんぱいぃ、ああん」
カーペットに仰向いて寝そべった浩介の顔に股をくっつけて、シックスナイン69スタイルになっている沙織。握った勃起ちんぽを唇で、舌で、なめなめしてお口の中へ吸い込んで、食べちゃうんです。なんいともいえない、じゅるじゅる、勃起しているちんぽを、啜るんです。股を浩介の顔に押し当て、お尻を前へ後ろへ動かします。浩介の唇が、舌が、陰唇を擦ってきます。バイオリンを感情込めて奏でさせるよううに、感情込めて勃起ちんぽを、吸って、舐めて、吹いてあげる、ああ、いい、ああ、いいきもち、ああっ、全裸の沙織、浩介がセットしたビデオカメラの前で、女のからだを振る舞います。
「いれていいぜ、沙織、いれてくれよ」
浩介の手が、お尻をさすってきて、お尻をもちあげさせられる沙織。沙織が馬乗りになる騎乗位スタイルで、浩介と交合するんです。
「はぁああ、せんぱいぃ、いれて、いいの、いれて、ああっ」
沙織は向きをかえ、浩介の顔が見えるようにして、跨ります。勃起しているちんぽ、握ってあげて扱いてあげていたから、ビンビンの勃起状態です。沙織は、右手で勃起ちんぽの陰茎を握って、股をかぶせるんです。お股の真ん中、陰唇をおしわけ、亀頭を包みこみ、膣へ挿し込むんです。挿入の瞬間です。
「ああっ、あん、あん、はぁああっ」
沙織の呻きもですが、浩介も。おおっ、ああっ、いいっ、沙織のおめこへ勃起のちんぽを挿し込む感触に半ば呻きの声を洩らします。沙織の上半身を支えるべく、双方の手の平を、双方の乳房に当てます。沙織は、手を浩介の腕にからませ、腰が動かせるように、お尻を持ち上げられるように、体位をつくります。
「ああっ、ああっ、ああああっ」
ヌルヌルになっている膣のなかです。浩介の勃起して硬直したちんぽをぶすぶすっ、と挿し込んでしまう裸の沙織です。
「ひぃいいい、ああ、せんぱいぃ、いいいっ」
バイオリンを奏でる要領で、からだからぶちゅぶちゅの音色を奏でさせる大学二年生、二十歳の音楽家沙織です。





小説
悶える沙織







HOME

淡水小説集目次




愛しあう部屋

表紙目次に戻る